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1話
「で、敵対とかじゃなくて何?…てか、もぅ何?社長もだし篠田さんとしろーちゃんもどうしたいの?何なの?」
「いや、何だろうな。とりあえず、みやは沼井の命令で動いてるんだよ。篠田もまぁ直接じゃないにしろ、沼井絡みで使われてるんだよな」
スプーンで肉団子を半分にしつつ、むつは唸っている。納得も出来ないし意味が分からないのだ。
「妖絡みだから?で、海と車輪はどことどこ?」
「場所は同じだ」
冬四郎の言葉を聞くとむつは黙った。行儀悪くスプーンの先端を少しだけ噛んだままだった。どこを見ているのか分からないまま、むつは呟いた。
「仕事はするよ…けど、何この誰も信用出来なさそうな状況」
「みやも信用出来ないか?」
味噌汁の碗を持ったまま、山上がからかうように言った。
「嘘つきは嫌い」