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6話
「何があったんだ?」
「そりゃあもぅ色々と、だよ」
むつの少しだけ悲しげな瞳に気付いた西原は、何も言わずにそっと頭を撫でた。
「あのさ、ちょっとまだ仕事残ってるんだ…二人は警官だしここら辺に転がってる人の介抱とかお願いして良いよね?」
「どっか行くのか?」
「ちょっと、ね。すぐに戻って来るから。ちゃんと待っててよ、置いて帰ったら怒るからね」
むつはそう言うと砂浜をさくさくと歩いていく。供養塔のある岩場の方に向かって。
西原と冬四郎は、あまり元気がなく悲しそうなむつの様子が気にはなっていたが、波打ち際に倒れている人たちを任された以上、追う事はしなかった。
仕方なさそうではあったが、倒れてる人をひきずるようにして、浜辺にあげていく。