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6話
「むつさん、大丈夫ですか?」
「ん?何で?」
「いや、何となくですけど」
むつは颯介と祐斗の腕に、自分の腕を絡めて引き寄せた。互いの頭をぶつけそうになった二人は、文句を言いたそうに口を開いたが、すぐに閉じた。
颯介と祐斗はむつに寄り添うように座り直すと、むつと同じように炎を見守った。
ぱちぱちと木が燃えているのか、はぜる音がして、揺れるような破裂音が響いた。見ていて、楽しいどころか恐怖さえ感じるような光景だった。
オレンジ色の炎が弾けるように、あちこちに飛んでいる。そのうちに、淡く白っぽい光も飛び出すように上に向かっていく。
「魂ですね」
「うん、篠田さんともこれで、さようならだね」
「寂しいのかい?」
「んー少しだけ?変な人だったけど悪い人じゃなかったからね」




