表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-物の意思-  作者: 幹藤 あさ
295/309

6話

むつは颯介と背中合わせになり、霊たちを払い除けながら手摺の方に、じりじりと寄っていく。


「他の船に飛び移ろう」


「祐斗君は?」


「すでに離脱させてある。で、そこらへんの船の燃料タンクに穴を開けさせてるから、後は火をつける」


「派手なやり方だね」


颯介が寄ってくる霊を殴り、蹴り、側に寄らないようにしてくれてるので、むつは先に手摺を乗り越えた。


むつは蟹のように横歩きをして、船首に向かっていく。付喪神になった、フィギュアヘッドの首から首飾りを引きちぎった。


それを無くさないように、手に巻き付けて宝石をぎゅっと握った。冷たい石が、かすかな寂しさをむつに与えた。


「さようなら、だ。悪いとは思うよ…けど罪のない人をこれ以上、奪わせるわけにはいかないからね…これは、わたしが貰っていく。あなたが存在していた証拠にね」


『大切にしてくれる?』


「勿論…けど、やっぱり海の近くが良ければ大切にしてくれる方に預けるけど」


『そうね。海からは離れたくないわ』


「分かった。あのさ…」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ