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6話
「きっと仕組まれてたんだ。…これは付喪神だよ」
「仕組まれてた?」
颯介と祐斗もぶつかる事はないと分かっていても、霊たちを避けながらむつの後を追ってきた。
「篠田さんが捕まったのは、たまたまかもしれないけど、祐斗の力じゃなかったんだよ。篠田さんが来たのは」
「知り合いだと知れてて、向こうのやつが篠田さんを寄越したって事か?」
「たぶん。魂を集めているのにも訳があるはず、暴れたりしたいだけなら、とっくの昔にしてるはず」
「で、俺たちは篠田さんっていう餌につられて来たってわけか?」
「うん。あ…篠田さんが捕まったのもたまたまじゃないのかも。一緒に海に来たりしてたし」
ホールを1周してみたが、篠田の姿を再び見付ける事は出来なかった。むつは、舌打ちをして階段の方を見た。
「俺たちを狙ってたって事ですか?」
「けど、何で付喪神が俺たちを?」
「分からない。どっちにしても凄い執念だよ」




