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6話
「パーティーホールかな?」
颯介と祐斗もホールに出ると、しげしげと辺りを見回している。
「ここが中心地な気がしますね。姿はないですが、沢山居ますよ」
三人がゆっくりと中央に近付くと、じじっと音をたてて、壁掛けのランプがついた。そして、ぱっと天井の大きなシャンデリアにも明かりがついた。
急に眩しくなり、目を細めて光になれるのを待ち、ゆっくり目を開けた。そこには無数の霊が居た。服装も髪型も、現代からいつの時代かと思うほど古めかしい物まで様々だった。
まるで今からパーティーでも始まりそうな雰囲気だった。どこからともなく、音楽が流れ霊たちはペアになり、ゆったりとダンスを踊り始めた。
その異様な光景にむつたちは、何も出来ずただ見ているだけだった。
「どういう事なんでしょうね」
「さぁ…それより、霊以外の気配が混ざってる」
むつは、颯介と祐斗を引っ張り、ダンスをする霊たちを避けてゆっくり壁際まで後退した。




