254/309
6話
「整理しよ。憶測でしかないけどね。この前みた水中生物?がきっとこれだよね」
むつが言うと祐斗が頷いた。
「あっちこっちから…ってより、霊に囲まれてる感じがするので、集合体がこれなんだと思います」
「って事は、昼間は霊としてあの洞窟の中で過ごして夕方辺りから出没か?」
颯介が言うと、二人は頷いた。
「ん?待ってむつさん、洞窟の奥の祠に札はりましたよね?ってなると、洞窟から出てきてるのとは別なんじゃ?」
「あ、そうだ…あん時、祐斗は霊に引っ張られたでしょ?何か視てないの?」
「何も視てないと思います」
「余計に訳分かんなくなった。とりあえず、俺たちは何かの腹の中で、こいつは俺たちを消化しようとした。…何でだと思う?」
「そりゃ糧にする為にでしょ」
むつが当たり前のような顔をしている。
「けど、こいつって生き物じゃないはずですよ…霊の栄養って」
「霊の栄養は霊、かな?」




