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6話
祐斗の声が近付くと共に、明るく炎も見えてきた。釣瓶火も祐斗と一緒に居たようだ。
祐斗を追い抜き、釣瓶火がむつの胸に飛び込んできた。管狐も颯介の胸に飛び込んでいた。
「無事で良かった」
颯介は管狐の顎を撫でた。そして、ついでのように止まれず悲鳴を上げながら駆け降りてくる祐斗を腕で受け止めていた。
ぐえっという声と共に、祐斗がひっくり返るように倒れた。池に落ちずに済んで良かった。
「あれ、痛そう…」
釣瓶火とむつは、哀れむように祐斗の側により、起こしてあげた。
「うぅ…痛い…けど合流出来て良かった。で、ここは?」
祐斗も辺りを見回している。そして、池に気付き覗き込んだが、すぐに目を反らした。
「気持ち悪いもん見ちゃいました」
「人の顔がいっぱいよね。釣瓶火、池の上を飛んで照らしてくれる?」




