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5話
「お嬢ちゃんの思ってる通り、霊の集合体みたいなもんや。けどな、ちと違う気がするぞ…これ持って行きや。用心しいや」
片車輪の車輪の中から、ふわっと出てきたのは火の玉だった。
「釣瓶火?」
「せや、これでわしの車輪の火も大きくしてたんや…熱くなかったやろ?」
むつは片車輪に足をかけて掴まれ、宙吊りにされていた時の事を思い出した。ついでに、この短期間で何度も死にそうな思いをした事も思い出した。
「確かに…来てくれるの?」
むつが手を差しのべると、釣瓶火はくるっと1度回り、むつの手のひらの上でふわふわと浮いている。
「明かりが必要やろ。わしは、あの変わり者がついて行かんよう、しといたらええんやろ?」
「察しが良くて助かります」
「タダちゃうからな」
そう言うと片車輪は、篠田と西原の所に戻っていった。意外と楽しんでるのかもしれない、とむつは思った。




