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5話
むつと祐斗も床に座り、針金をくるくると巻いていく。六人でやっているからか、あっという間に作業は終わった。
「終わったね」
篠田は最後の針金をミゼットカッターで、ぱちんっと切った。
「はい、手伝だって下さってありがとうございます…後はこれと腕を持って仕掛けるのみ」
「どこに仕掛けるんだ?」
「そうね…消火栓の近くで人通りの少ない所ってなると?」
仕掛ける場所は、地元を知っている西原が決めるしかない。
「そうだなぁ。それもだけどやっぱり夜か?」
「そりゃ人目につきたくないしね」
むつは、腕を伸ばして肩を回した。そして、欠伸をしながら立ち上がった。
「今って何時?」
「もうすぐ18時だな」
「23時待ち合わせくらいかな」
「寝るのか?」
「うん、寝たい」
もう1度欠伸をすると、むつは気だるそうにしつつもずるずると机を引っ張り、元に戻そうとしていく。
むつが片付けを始めると、流石に疲れが顔に出ている颯介と眠たそうな祐斗も手伝い始める。篠田と冬四郎もパイプ椅子を運んだり、短い針金が落ちてないか箒ではいたりしている。