表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-物の意思-  作者: 幹藤 あさ
21/309

1話

冬四郎は財布を受け取ると、持ってきていた鞄にしまった。


むつは考えこむように、うつむいて指を顎に添えていたが、ぱっと顔を上げ何度か瞬きをして、大きく息を吸い込んだ。


「しろーちゃんさ、仕事落ち着いたら連絡するって言ったよね?」


そう言うと、また少し黙った。そして、意を決したように、冬四郎を真っ直ぐに見つめた。


「仕事に打ち込むしろーちゃんは格好いいと思うし好き。けど、嘘をつくしろーちゃんは嫌い…埋め合わせなんていらない、いつになるかも分からない事なんて言って欲しくない。連絡だってずっと待ってたのに」


むつはそう言うと、冬四郎を睨むように見た。その目には今にも溢れそうな涙が溜まっていた。


ぷいっと顔を背けるとむつは、少しだけ歩く速度を早めた。追い付こうとして、冬四郎はそれを止めた。言える言葉が見付からなかったからだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ