165/309
4話
祐斗は少し先を歩きながら、二人がいつもと同じように仲良さそうに会話している事に安心していた。
「そんな感じでね、この奥に昨日コウモリみたいに出ていった霊がもしかしたら太陽を嫌って潜んでるのかも」
「霊って夜しか活動しないのか?」
「まさか、まさか。日中、街中でも沢山居ますよ」
祐斗は笑って言った。
「昨日はここに集まっていたんですよ…何でかは分かりませんが」
冬四郎は腕を組み、さっぱり分からないといった顔をしている。専門外なのだから当然だ。
「集まってる霊と海の巨大生物か…それでボートを借りに行ってたのか?」
「うん、昨日見た時も少し沖合いだったけど岩場の近くではあったからね、っと」
先を歩いていた祐斗がふいに止まった。むつは冬四郎の方を向いて話をしていたので、ぶつかりそうになり祐斗を避けるようにして、立ち止まった。




