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4話
「じゃあ、網で捕獲という事で」
颯介がそう言うと、三人は渋い顔をしたが否とは言わなかった。
「ねぇねぇ、西原先輩。漁で使えような網って用意出来る?」
「調達は俺ってわけな、あとは?」
「細い針金、沢山…太いのもいるかな」
むつは、颯介と祐斗方を振り返った。他にどんな物が必要かと聞いているのだろう。言われずとも分かるのか、颯介も祐斗も首を傾げた。
「水…ですかね」
「喉乾いたの?」
祐斗はむつの言葉に苦笑を浮かべた。颯介が祐斗の考えが分かったのか、あぁ、言った。
「炎厄介じゃないですか?」
「あぁ‼消えるかな?」
「試してみる価値はあるよね。えーっとじゃあ、針金と水ね…消火器は?」
「消火器じゃ煙が出ちゃうでしょ?視界が悪くなると困る」
むつは昨日の経験からそう言った。
「じゃ、お願いね」
「はいはい。パシられて来ますよ」
そう言うと西原は再び出ていった。




