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4話
警官達が顔を合わせて考えていると、むつは颯介と祐斗に目配せして、音もなくすっと立ち上がった。
そして三人は少し離れた所に集まると、しゃがみこんで、こっちはこっちで顔を近付けた。
「どうしたんですか?」
「考えててもどうにもならないし、捕獲作戦で」
悪い事を相談し合うわけでもないのに祐斗が小声で言うので、むつも小声になっていた。
「どうやって?」
「網でわさっと、とか?」
「燃えてるし早いんですよ」
ここ数日あまり顔を出してこなかった管狐が、颯介の襟元から顔を出していた。
「針金とかならどう?」
「そもそも1ヶ所にしぼれるの?」
「腕を餌に」
「針金の網か」
上から声がして、むつは振り向いた。
「捕獲ってお前、ちっとは頭を使えよ」
警官三人が、むつたち三人を見下ろすように立っていた。むつは、すっくと立ち上がった。
「なら、そっちの考えは?」
「……ありません」




