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4話
「で、どうする?」
西原が空いてる椅子を引き、むつに座るように促した。颯介と祐斗も座ると、むつが何を言うのかと注目するように見た。
「捕まえようか…あ、そう言えばさ。足を引きちぎられたって人の写真とか残ってないの?」
「検死報告ならあるけど見るか?」
西原はむつの返事を待つ事なく出ていった。
むつは壁に寄り掛かっている冬四郎の方を向くと、おいでおいでとすると机をとんとんっと叩いた。どうやら声をかける気はないようだった。
颯介と祐斗は顔を見合わせて、こっそり冬四郎の表情を伺ってみたが、特にいつもと変わらない顔をしている。
「報告書、全部に目通してたでしょ?片車輪が危害を加えるような事って一切無かったんじゃない?」
「そう…だな。驚いたりして転倒、ハンドルを切り損ねたはあったけど」
「だよね…違うのかな?」
むつは腕を組んで背もたれに深く寄り掛かると、足を組んだ。唇でつき出し眉間にもシワを寄せている。眼鏡を押し上げるような仕草をして、眼鏡がない事に気付いたようで、ふいに顔を上げた。
「眼鏡がない」
「忘れたんですか?不便そうですよね」
 




