表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-物の意思-  作者: 幹藤 あさ
137/309

3話

むつの睫毛が微かに震えた。西原はベッドに座り、むつの顔の横に手をついた。真上から顔を覗きこんだ。


「むつ?起きたか?」


西原の声を聞き、冬四郎たちもベッドの脇に近寄ってきた。


「むつ?」


うっすらと目を開けたむつは、ゆっくりと瞬きをした。その目には涙が溜まっているのか、ゆらゆらとした物が見えた。


「どうした?」


西原が人差し指でむつの目元を拭った。たっぷりと溜まっていた涙が西原の指にのっていた。


「せんぱい…?」


「どうした?大丈夫か?」


むつは甘えたような声を出して西原の手に自分の手を重ねた。そして、その手を頬にあてるようにしている。もう片方の手をゆっくりと持ち上げて、むつの力ない手が西原の頬に添えられた。


「えっ…と、むつ?」


むつの顔がくしゃっと歪んだ。むつは何も言わないまま、大粒の涙をぽろっと溢した。


「あっ‼」


我に返ったのかむつは、西原の頬に添えていた手をぱっと引っ込めた。そして、手の甲で目元をぐいぐい拭った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ