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3話
「むつさんが起きて…明日、またゆっくり話をしてみる必要がありそうですね」
颯介と祐斗は頷いた。今日はもう出来る事がないと分かったが、誰一人として部屋を出て行こうとはしなかった。
「その…腕、そのままで大丈夫なんですか?」
篠田はオカルト好きで、この件に首を突っ込んでいるものの、実際目の当たりにし、こうして腕まであるとなると恐ろしいのかもしれない。
「まさか、動いたりしませんかね?」
冬四郎も腕の事が気になって、なかなか部屋を出ようとは出来ないようだった。
「…と思いたいですね」
颯介はジャケットをぴらっと持ち上げてみると、腕は動く気配はない。祐斗は見るのも嫌なのか、目を背けている。
西原はそんな事には目もくれず、バスルームから濡らしたフェイスタオルを出してきて、むつに付着してる血を拭っていた。




