表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-物の意思-  作者: 幹藤 あさ
10/309

1話

「試されたんですか?」


篠田は、すっくと立ち上がるとむつの前に来て膝先ずいた。そして、おもむろにむつの手を取った。


「こんなに可愛らしいのに頭も切れて、物怖じせずに発言出来るんて…本当に噂以上ですね、宜しければお食事しながら、ゆっくりお話しませんか?」


がっちりと握られた手を振り払えず、むつは近付いてくる篠田から逃れようと山上の方に寄った。


一瞬、泣き出しそうな顔をむつがしたのに気付いた冬四郎が、篠田に近付いたが、それより先に山上が立ち上がり篠田の顔を殴り付けていた。


「あほんだら‼うちのむつに気安く触んな」


ぱっと手が放されると、むつはすぐに山上の背中に隠れた。唇を噛み締めて、泣くのを堪えているように見えた。


冬四郎の所からは、むつの表情がよく見えていた。心配になったのか、冬四郎がむつに近寄ると、怖がるように山上のシャツをきゅっとつかむのが見えた。


「大丈夫か?」


冬四郎が覗きこむようにむつを見ると、むつは黙ったまま頷いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ