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第3話。襲われました。

走っている間は、色々なことを考えます。

人生のこと、社会のこと、仕事のこと、これから私はどう生きるべきか、など。押し寄せる未来への不安。私にはまだ明日が見えていないのです。

私は自分の希望している人生を生きたいのです。


今夜は二日前のジョギング中にあった出来事について私は考えていました。

用心して私はキョロキョロと周囲を見渡して走りました。

あれは二日前の午前1時頃でした。

初めて私はジョギング中にトラブルに見舞われてしまいました。

折り返し地点を私は走っていました。

午前1時過ぎということもあり、県道の車の通りも少なく、いつものように静かな夜でした。

終電に乗り遅れて徒歩で帰宅している人も何人か見かけました。そこまではいつものことでした。

周囲には誰もいなくなっていました。

橋を渡ると右手に墓地と公園があります。そこは気味が悪いので少しスピードを上げ走っていました。

すると突然、私の背後に何かの気配を感じました。私はギョッとしました。

恐る恐る走りながら振り向いてみるとそこには私のすぐ真後ろに男がいました。

ちょうど男が私を追いかけているような形です。

男は細身で若そうな感じですが、その顔は世界のすべてを憎んでいるような目つきをしていました。


「おい!待てよ!」


男は大きな声で叫んでいました。

私はこわくなったので無視して走り続けました。

どこから現れたんだろう?

さっきまで誰もいなかったはずだけど…私は突如現れた男に恐怖して緊張しました。


「待てって言ってんだろうが!」


男の声はさっきよりも更に荒々しくなっています。


「なんですか?」


私は振り返りながら、聞いてみました。


「おまえ、数年前からここを走ってるよなぁ!おっぱい揺らしながらいつも走ってるよなぁ!俺は前から見てたぜ!へへへへ!」


卑猥ひわいなことを言う男に対し、私はカチンときてしまい、つい立ち止まり、振り返ってしまいました。実のところ私は空手の有段者でして、その気になれば男をぶちのめす(笑)ような自信があったのです。

私は男と向きあいました。

男は黒いカバンを肩から下げていました。


「おっぱい、そんなに揺らして誘ってたんだろ?」


「は?そんなわけないじゃないですか?きもちわるいんですけど!ここはパトカーも時々巡回してるから、やめたほうがいいですよ!」


すると男の右手が私の首にスッと伸びてきて私の首をすごい力で締めあげてきました。


「うぅ……。」


「誘ってるんだよなぁ?お前はよぉ、そんなにデカい胸しやがって!大体、こんな夜遅くにジョギングだなんてリスクを承知で走ってたんだよなぁ?おい!」


男の右手に、より大きな力が加わりました。

殺されてしまう!私は命の危険を感じました。

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