第1話。咲の妄想
私の名前は咲。
体力をつけるために4年前から毎日、ジョギングしてる女の子です。
昼間は紫外線がこわいので大体、夜に走っています。
お仕事が終わってから走ると午前1時頃になってしまいます。
今は物騒な時代、今はこんな物騒な世の中ですから、そんな時間に一人で走るのは危険だと言われるのですが、それだとお休みの日、週に2回しか走れないので背に腹はかえられません。私は毎日走りたいのです。
大体人は、様々な理由をつけ自分を肯定し安心感を得ようとします。
そしていつの間にか楽な生活に流されるのです。その心理は分からなくもありません、私もそういう時が多々あります。実際、私の身体の調子もあなたの身体の調子も悪いのでしょうが、身体の調子が、いつもいい!なんて人の方が少ない、それでもほとんどの人は気合いをいれて死に物狂いで生きているのです。
正直言いますと私は働くのが好きではありません。働かないことで得られた時間を何か1つの情熱を持って打ち込みたい。たとえ生きている間、報われなかったとしても、そう考えています。
働かないからには何かせめてやりたい、やらなければならない、働くことの代わりに何か努力したいのです。自堕落な日々は精神を蝕んで他者をも巻き込み飲み込んでしまいます。
私にとって走ることが努力だったのかもしれません。
私、特に取り柄のない女の子なので。