無意識モンドの鬼畜特訓
さて、私は現在進行中にて朝一番に食べたあの不味い食べ物を盛大に吐いている。
いい人、優しい人と思ったモンドは私に向かって全く優しくない一撃を繰り出した。それはもうキレッキレのスイングを。
蹲る私に近寄ってきた元いい人はまた申し訳なさそうな顔で私の心配をする。
『おデ、手加減、した、けど・・・』
なってないからー!めちゃくちゃ痛いからー!
これ肋骨折れてるからさ!本当、マジで!
特訓初日、1分にも満たない長さで私は撃沈した。
家のベットへと運ばれた私はドラゴンの治療を受けて
その日は特訓という名の暴力を終えた。
次の日もやっぱり数分ももたずに終了。
その次の日も、そのまた次の日も。
何日経ったか、
私への力加減をこれでもかと引き下げたであろうモンドの目は死んでいた。
動く筋肉のモンドには私への特訓というよりも、自らの苦行ととったようだった。
だがしかし私にも言いようはあるのだ。
こんなちっぽけな人間の私は毎日のように死ぬ思いを体験したのだ。
もっと早くに加減を学んで欲しかったよ!
モンドの脳みそもやっぱり筋肉だったんだ。
毎日のされた後の私はパッと見、きれいなもんだ。
体の中は内臓とか骨とかきっととんでもないことになってたとしても。
だからその日、死んだ目をしたモンドを相手にした私は必死でその拳をよけ
体をかすった痛みを我慢しながら初めて特訓を乗り切ったのだ。
達成感しかなかった。乗り切ったんだ、と。
けど、家に帰った私はドラゴンの青ざめた顔を見た瞬間に気を失った。