わが子
掲載日:2014/11/16
恋愛というのは、必ずしも前に進めるものではない。
お互いを支え合って、互いに良い影響を与える関係だけが恋人の関係ではない。
一方が前進しようとすると、もう一方が手を後ろに引き、相手はそれほど力的に影響を受けてはいないはずなのに前に踏み出した足を戻す。
こんな関係だってある。いや、私が思うに、恋愛とは実質こういうものだと思う。
ただ、結婚は違う。
結婚をし、家庭を持つということにより、自然と前進を余儀なくされる。
安定した収入、出世。デビュー、支え合い、励まし。
――そして子ども。
結婚=前進と思うだけに、私は結婚しようなんていってこなかったし、それはいまでも変わらない。きっと、彼も同じ。男って言うのは感じる方が敏感だから、きっとどうしてかなんか分からないのかも知れないけれど、私たちがこのままでいることの方が良いのは感覚的に分かってるんだと思う。
しかし、私たちの間に子どもが生まれてしまったのだった。
ああ、わが子が怖い。
私たちを前進を強要するこの子が怖い、怖いっ、
お腹を痛めたわが子を愛しく思わないことはない。
でも、でも、でも、
私たちの前に道が出来た。私たちが歩まなければいけない道が。
私たちは、もう停滞できない。




