完璧になりたいわけじゃない 北条桃花
まさか わたしたちも 別々の道を行くことになるなんて 考えてなかった
でも きみと過ごした あの一年は わたしを確実に 成長させてくれた
いつか わたしたちが 敵として闘う時が来たって もう大丈夫
もう 逃げないよ 怖がったりしない
楽しい日々を思い出して泣くのは したくないの
だから きみとの思い出は全部 捨てたかったの
それに 思い出を捨てることが出来れば わたしの弱さも一緒に 捨てられるから
やっぱり わたしはわたし 心に残ってしまう弱さ
今度こそ 大切な人を 失いたくない筈なのに
わたしが 強くならないと また守れずに 一人になる
姉だもの 妹たちくらいは 守ってあげたいよ
夢で わたしたちは 人々へ歌を届けていた 見たことない笑顔で
でも 朝目が覚めて その夢など わたしには悪夢と 思うしかなかった
涙 が零れたわ それはわたしが一番嫌だったこと 忘れられない
まだ 逃げてると その証拠だから
苦しい時に諦めて泣くのは したくないの
だって きみとの約束は破る ことになるから
それに 苦しみや辛さなどに勝てれば わたしは強くなれるんだと 信じてるから
人間の心を捨てれば 弱さを捨てられる
ああ 人間でいたいなら 完璧になることは 出来ないのね
でもわたしはわたしの力で 姉として 妹たちを 守ってあげたいよ