残念なイケメン
あらすじ:友人と再会した後、男の人に会いました。
はい、残念なイケメンって、誰のことでしょうね~。
…あれだよね。ファンタジーって、どんだけ~。
軽い苦笑いで金髪の男の人を見やる。
この男の人、髪は長く、後ろの方でくくっている。結構上方に括っているようだが、それでも肩にかかっている。どれだけ髪が長いんだか。
別に格好いい男に興味があるわけではない。むしろ、男嫌い。
だけど、それでも一応言っておこう。
私、芸能人の人に顔の整った男子ってイメージしかなかったけど、うん、この人は…イケメンだ。
しかも整形じゃない、自然なイケメンだ。格好いいって、こういう感情か。
あぁ、けどちょっと若い感じで、どことなく偉ぶっているのが伝わるのがマイナスだな。
それに、格好がなぁ。派手すぎやしないだろうか。
服からして、権力者ですって感じ。
民からの税金で生活を成り立たせている、私の嫌いなタイプだ。
…なんだよその金銀財宝。なんだよその明らかに使用目的じゃない、宝石の散りばめられた剣。その格好では絶対に戦えないぞ?馬鹿なのかな。
「…二人も喚ぶとは聞いていないぞ?召喚は失敗か。?」
え、魔法陣二つあったよね?っていうか、今現在床にあるよね?
もともと二人喚ぶつもりじゃなかったの?…神様に聞こうか。
早速頭が痛くなってきた。
それにしても、そんな呟きをそんな大声でするなよ、王族。
周りのフードの人達もざわついているじゃないか。
民にそんな風に動揺をさせるなんて、王族失格だと思うぞ?
普通の人間だとしても、馬鹿だな。
「どちらが勇者だ?それとも、どちらも違うのか?」
おやおや、いきなり異世界から連れ出しといて敬語もないのか。
こりゃあ、本格的にありえない馬鹿だな。
カナちゃんも眉をひそめている。あぁ、嫌いなタイプだよね。こういうの。
「…ごあいさつ、ですね。」
かろうじて、かろうじて敬語。
敬語を使ってこない相手に。請われて来てやった相手に。
なんで、なんで敬語なんて使わないといけないんだ!
あぁもう、お返しに得意の皮肉と卑下でも加えて返してやろうか。どうせこの程度の頭だ、私の皮肉なんて、ぜんっぜん見破れないだろうし!あぁ、腹立たしい!!
…落ち着こう、私。
きっと睨みつけながら笑みを浮かべる。金髪の男の人は私の顔を見て一瞬固まった。
「私達は二人共、正真正銘の勇者です。神からの加護も頂いています。対の勇者、というのはご存知ありませんかね?二人で一人、文字通り対になった者。二人でいなければ能力も半減する、非力なものですが。…以後、お見知りおきを。」
失礼にはならなかったはずだ。
これから私達の力を見て存分に嘆くといい。自分の非力をね!
実は、神様の世界で能力の多様性を見せてもらいました。
うん、本当に良い能力をもらったと思う。
彼は自分の実力を隠して置けるような頭の持ち主ではなさそうだ。だから、私はともかく、剣技と魔術の加護をもらったカナちゃんに勝てるとは到底思えない。ご愁傷様。
ちなみに非力とか真っ赤な嘘だ。一人ひとりでも十分に戦える。
二人だったら?はっ。話にならないよ!
彼女が能力を試した場所も見せてもらったけど、全壊してた。
私もそれなりに試したけど…強度、凄まじかったよ?
超巨大な岩を必死にハンマーで叩いてるような感じ。
あれを剣で全壊させた。魔法すら使わなかったって。
…うん、私必要ないよね。
あれ?男の人の反応が鈍いな。
ん?心なしか、カナちゃんが怯えているような…
…カナちゃんが、怯える?…嫌な予感がする。
この反応は、漫画とかアニメの中で、同性愛者、またはナルシズム、ロリコン…まぁ、変態と一括される素養を持った人に平等に現れた症状だ。
そのあと漫画の中で、そのキャラクターが変態になっていくことに、私は不安すら感じた。…何この感知能力、だよね。
「…美しい。」
……はぁっ!?
しまった、ガチでまずいタイプの人間に話をしたかもしれない。
…あぁああ、面倒くさい!!!
レナは、名前も知らない男の人に、惚れられた!
あっはっは、見た目小学四年生なのにねw犯罪だ~www