カミサマ
前回、光に飲み込まれた主人公、レナちゃん。
王道で行けばきっと召喚陣の上で目が覚めますね。ちがいますが。
このお話に王道を求めちゃいけません。
で?一体何の冗談なのかな、これは。
「お前に私の創造した世界を救ってもらいたい。」
神様と思しき人物が雲の上で私に偉そうに口をきいた。
おわれ。それか、夢なら覚めてくれ。
「自分が創った世界なら、自分でどうにかしろよ。」
呆れながら言ったセリフに、神は考え込むように顎に手を当てた。
「ふむ。口が悪いな、お前は。」
―――先の者は礼儀正しい少女だったのに。
小さくカミサマがつぶやいた言葉に頷きかけて、ふともう一度言葉を反芻した。
ちょっとまて。カミサマ、ちょっと待て。
会って数秒でいろいろツッコミどころが出てきたよ?
まずは一番大事そうなところから。
「礼儀正しい少女って…私のいた世界から?」
「そうだが。」
平然と頷いたカミサマは(殴りたい)それからすぐに首をかしげた。
「お前の知り合いだぞ?なぜそんなに性格が違う。」
知り合い?礼儀正しい知り合い、ねぇ。
…やばい、一人しか思い浮かばないよ?
カナちゃん。
本名、如月奏は、物静かな、大人にも子供にも礼儀正しい女の子です…。
ぶっちゃけ、私の知り合いの中でもちょっと特殊なんだよ?あの子。
私の仲間たちの中に入れとけば洗脳されるかなーって思ってたら、逆に仲間たちを洗脳して、ある日「やばい、如月さんと普通に話せない!」と泣きつかれたし。
あれ~?君たち、私に勝手なあだ名をつけようとキャッキャしていた、迷惑な子だったはずなんだけどな~?それがなんで『如月さん』?なんて思ったのを覚えている。
それがまさか誘拐犯にも同じだったとは。あ、私相手には敬語外すんだけどさ。
「あ~…彼女、私の知り合いの中でも特殊なんでね…」
頭を抱えながらそういうと、言っておくが、と話を遮られた。
「…私はお前を誘拐した張本人ではないぞ。」
…ふむ?なるほど。なら話を聞こうか。
正座をした私に小さく驚いたカミサマは、懇切丁寧に私の事情を説明してくれた。
曰く、私はこれからカミサマが創った世界に召喚される。
曰く、そこには既にカナちゃんがいる。しかも対の勇者として。
曰く、突然変異で魔物が出来て、魔王もできちゃったので、倒して欲しい。
曰く、私には好きな能力を与えてくれる。
ちなみに、召喚云々は人間たちの独断らしく、カミサマは関与していないとのことだった。
失礼しちゃったなぁ…
神様と知り合いになりました。
何やってんでしょうね、この子。