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◆九話
「謁見の準備が出来るまで暫くお待ちくださいませ」
通された部屋で、侍女と思われる女の人にそう言われた。だから私、広い部屋は苦手なんだってば。
さてと。謁見の準備とやらが終わるまでに、気になってる事の解決をしようか。
「……リディア」
「何?」
「…………怒ってる?」
「別に?」
これって怒ってる人の答え方だよね!?
「私何かした!?」
「だってイキナリ出かけるから起きろは無くない!?」
随分可愛い理由だなオイ。
しかしここは素直に謝っておくべき。そう思って謝罪の言葉を投げかけた。
「ごめんね?」
「いーけどさ……」
そして照れ臭そうに顔を赤くして膨れる。
その仕種がまた子供っぽくて可愛い。
リディアの様子を微笑ましく眺めていると、先程の侍女が再び部屋に現れた。
「謁見の準備が整いました。こちらにどうぞ」
今更ながらに緊張してきちゃった……。