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半分チートな絶対音域  作者: 逢沢 雪菜
三章 異世界取扱説明書
15/21

◆十五話

 要するに。

 例の“予言関係者”はイコールでフォルトでした。


 それ以下でも、それ以上でもなく。

 つまりそういう事らしい。


「突っ込み所満載なんだけど!?」

「独り言も多いのかお前は」

「いや、あんたに言ってるんだって」


 突っ込むべき所をきちんと見分けてこその突っ込みキャラだぞ。むしろ突っ込み役はツァンドさんとリディアか。


「もぉ何なのよぅ……」

「それは俺の台詞だ。お前は一体何なんだ」


 鸚鵡返ししか出来んのかお前さんは。とかいう台詞は控えるが吉。


 とにかく、私は色んな事が一遍に起こりすぎて疲れ果てていた。具体的には、なんで一昨日初めましてした奴ともう再会してんのよって事で。

 睡眠不足ではないが、目の下に隈が出来ていてもおかしくはない。


「……随分と疲れた顔をしてるな」

「疲れたんじゃなくて疲れ果てたのよ」

「三日でか」

「いえす」


 聞いた言葉にフォルトが肩を竦める。

 よし、こうなったらトドメだ。


「気休めにイラスト描いてたら誰かさんが来ちゃうしね〜」

「………………」


 反論無し。勝った。


「そういえば、さ」


 来てからずっと疑問に思っていた事。私の前世がこの世界の住民で魂に記憶が云々なんてびっくりな設定が無い事が前提となる疑問だが――


「なんで言葉が通じるの?」


 である。


 何度でも主張しよう。私は異世界人だ。すっかり馴染んでいるが、アブソリュート・コンパスの住民ではない。


 ところが、フォルトは何かを必死に思い出すようにしながらこう答えた。


「たしか…翻訳がどうとか……リンク…とか言ったか? が…通訳の代わりになってる…だったと思うが」

「あー……なんとなく理解したわ」


 つまり《リンク》がアブソリュート・コンパスの言葉を向こうの言葉に通訳してんのね。

 何気に万能やん、《リンク》。


「つかその情報、どっから?」

「放浪なんてしてると色々な所から情報が入ってくんだよ」


 眉間にしわを寄せながらフォルトはそう言った。


「んで結局色々と聞きたい事が多すぎるんだけど」

「答えられる範囲はツァンドと共に全て答える。場所はこの宿屋の食堂を借りる。先に行ってるぞ」

「あいよー」


 返事をするとフォルトは部屋を出て行った。



 聞きたい事は整理しておくべきかな。


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