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半分チートな絶対音域  作者: 逢沢 雪菜
三章 異世界取扱説明書
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◆十四話

 リディアのお説教(?)を喰らった後、昼食はしっかりいただいて、再び自室。


「なんで私の周りでこう色々と起こるのよ……」


 布団に顔を埋めて呟いた。


 何度も言うようだが、私はこの世界に来てからまだ三日目なのであって、それだけの超短期間で私は前の世界に居た時よりも沢山の悩みを抱える羽目になっているのである。

 まったく、巻き込まれるにも程が有るってもんだ。


「すぐ解決出来そうなのは予言関係者探しかなぁ……」


 現在私解決しなくてはいけない事は、能力石のネーミング、スフォルツァンドに関する事(詫びがどうとかってやつ)、アクリア嬢の言った“コンダクター”と“オーディエンス”、私同様予言に関わっている者に細かい事情を聞きに行く、という事。


 ネーミングはどんな能力か分からなければ出来ようが無いし、スフォルツァンドにはいつ会えるか分からない。“コンダクター”と“オーディエンス”に関しては、何が何だかさっぱりだし。


「つっても手掛かり無いのよね……」


 強いて言うならば、男二人組という事のみ。それも手掛かりらしい手掛かりにはなりそうもない。


「仕方無い、読書でも…って、ここに本は無いのか……」


 勢いよく立ち上がったはいいものの、今の私には暇潰しの手段すら無いのであった。


「無いなら書くかなぁ……」


 生憎、物を作る能力は有るのである。紙とペンを想像するくらい容易い。


 《リンク》の仕組みだが、どうやら、私の“願望”と“想像”に応えて物を創造する能力らしい。リディアの危機の時には、リディアを守る為に確かに防御壁のような物を望んだ。そして無意識の内に盾を想像していたのだろう。


 椅子に腰掛け、机に向かう。万年筆とコピー用紙を創造する。


 さて、何を綴るか。


「…………早速行き詰まるってね…」


 とりあえず思い浮かぶままにペンを走らせる。いつの間にやら“書く”つもりが“描く”に変わっていた。


 覚えている顔ぶれをデフォルメで描いていく。リディア、リディア父、アクリア嬢、フレッドさん――ツァンドさんと、フォルト。


 夢中になって描いていた。


 故に、気付かなかった。


「…………何を描いている?」

「ひゅわあ!?」


 背後にフォルトが居た事に。

 あまりに突然声をかけられた為奇声を発してしまった。


「……ちょっと待てよい?」


 私はそう呟いてから、驚きで猫のように逆立った毛を元に戻して硬直した。


 色々と突っ込み所が多すぎる。何を言うべきか思案したいところだが、とりあえず聞きたいのは一つ。


「なんでこんな所居る訳?」

「アクリアからの命令でな。お前に『説明しに行け』と」


 ………………って、とどのつまり?


「……予言関係者ぁああああ!?」

「お前声でかいな……」


 呆れた声でフォルトが言う。



 これはちょっと、早速色々と整理する必要が有りそうです。


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