第5話 もう一人の未来人
桶狭間の戦いは、歴史通りではなかった。
AIは言う。
「未来からの介入を検出」
この時代にいるのは、坂本遼だけではない。
「……もう一人いる」
坂本遼は呟いた。
ノートPCの画面には、AI「KAGURA」の分析結果が表示されていた。
「未来からの介入を検出」
それはつまり。
この戦国時代に、未来の人間がいるということだった。
その瞬間だった。
遠くで戦の音が変わった。
「……?」
兵たちの叫び声が響く。
「敵襲!」
「今川軍だ!」
だが様子が違った。
鉄の音。
爆発音。
遼は耳を疑った。
「まさか」
その時。
空を裂くような音が響いた。
ドンッ!
地面が揺れる。
煙が上がる。
遼は目を見開いた。
「爆発……?」
戦国時代の戦場ではあり得ない音だった。
信長もそれを見ていた。
「坂本」
静かに言う。
「あれは何だ」
遼は答えられなかった。
再び爆発。
今川軍の陣形が崩れる。
兵たちが混乱している。
まるで。
現代兵器のようだった。
遼はPCを見る。
AIが新しい分析を出していた。
「兵器分析」
「爆発物を確認」
「推定技術レベル」
表示された文字。
「21世紀」
遼の背筋が凍る。
「そんな……」
信長が言った。
「坂本」
「あれも未来か」
遼はゆっくり頷いた。
「……はい」
信長は笑った。
戦場を見つめながら言う。
「ならば」
刀を抜く。
「面白い戦になった」
そして振り返った。
「坂本」
「未来の戦を見せてみよ」
その時。
PCの画面に新しいメッセージが表示された。
「警告」
遼は画面を見る。
「第二介入者を検出」
そして表示された名前。
「プロジェクト名」
「NOBUNAGA」
第5話を読んでいただきありがとうございます。
未来から来た存在は坂本遼だけではありませんでした。
戦国時代に持ち込まれた「未来の技術」。
そしてAIが示した謎のプロジェクト。
物語はここから大きく動きます。




