第19話 分岐する歴史
歴史は一つではなかった。
AIは「分岐」を検出する。
そしてその中心にいるのは――織田信長。
坂本遼はノートPCを握りしめていた。
画面には新しいデータが表示されている。
文明分岐 拡大
未来介入者 5
遼は息を呑んだ。
「……増えすぎている」
信長が横で笑う。
「未来は騒がしいな」
遼は画面を見続ける。
分岐した歴史。
その数が表示されていた。
歴史ライン
7
「七つ……?」
遼は呟いた。
「そんなはずがない」
本来、歴史は一つのはずだ。
だがAIは違う結果を出している。
七つの未来。
七つの可能性。
信長が言う。
「坂本」
「未来はそんなに弱いのか」
遼は首を振った。
「違います」
「人間が未来を変えている」
その瞬間。
AIが新しい分析を表示した。
分岐原因
未来介入者
遼は理解した。
「未来人が増えるほど」
「歴史が分かれている」
信長は笑った。
「なるほど」
刀を肩に担ぐ。
「ならば」
「一つにすればよい」
遼が聞く。
「どうやって」
信長は静かに言った。
「勝つ」
その一言だった。
「勝った者の歴史が残る」
遼は言葉を失った。
それは単純だった。
だが真実だった。
その時だった。
AIが新しい警告を出した。
歴史収束 開始
遼の目が見開かれる。
「収束……?」
画面に新しい予測が表示される。
最終歴史ライン 予測
遼は息を呑んだ。
そこに表示された名前。
織田信長
成功確率
「91%」
遼は震えた。
「……上がってる」
信長は笑った。
「未来は我を選んだな」
だがその下に。
もう一つの数字が表示されていた。
文明崩壊確率
「78%」
遼の顔が青ざめる。
「殿」
「このままだと」
「世界が壊れます」
信長は静かに言った。
「それが未来か」
そして笑った。
「ならば」
刀を抜く。
「壊して作ればよい」
その瞬間。
AIが最後の警告を出した。
最終介入者 出現
遼は画面を見る。
未来人
数
「6」
遼は呟いた。
「……まだ増えるのか」
第19話を読んでいただきありがとうございます。
歴史は分岐し、そして収束し始めます。
織田信長の成功確率は上がる一方で、
世界崩壊の可能性も高まっていきます。
戦国と未来の物語は、ついに最終局面へ向かいます。




