第16話 信長、未来を知る
未来では「信長」を再現しようとしていた。
AIは歴史を観察していたのではない。
信長という存在そのものを研究していた。
坂本遼はノートPCの画面を見つめていた。
プロジェクトNOBUNAGA。
その文字が画面の中央に表示されている。
信長が横から言った。
「坂本」
「未来は我を作るのか」
遼はゆっくり頷いた。
「AIで人間を再現する研究があります」
信長は興味深そうに聞いている。
「人間を作る?」
「はい」
遼は説明した。
「思考を解析して」
「その人間と同じ判断をするAIを作る」
信長は笑った。
「面白い」
そして言った。
「未来の我は、強いか」
遼は少し迷った。
「……世界を変える人物です」
信長は静かに笑った。
「それは良い」
その時だった。
AI「KAGURA」が新しい解析を表示した。
思考解析 開始
対象
織田信長
遼は驚いた。
「……思考解析?」
画面に新しいデータが流れる。
判断パターン
戦術思考
政治判断
革新性
信長が画面を見て言う。
「坂本」
「未来は我の頭を見ているのか」
遼は言った。
「はい」
信長は少し考えた。
そして笑った。
「ならば」
刀を肩に担ぐ。
「未来を騙してみよう」
遼は驚いた。
「殿?」
信長は空を見上げる。
「坂本」
「未来は我を理解できぬ」
遼が聞く。
「なぜです」
信長は静かに言った。
「人間は」
「計算できぬ」
その瞬間。
AIが新しい警告を出した。
思考解析 エラー
遼は画面を見る。
エラーの理由。
「予測不能」
遼は呟いた。
「……AIが」
「信長を読めない」
信長は笑った。
「未来よ」
刀を振る。
「我を計るな」
第16話を読んでいただきありがとうございます。
AIは信長の思考を解析しようとします。
しかし信長は「予測不能」という結果になります。
未来と戦国の戦いは、さらに深くなっていきます。




