第14話 AIが選んだ男
AIは人間を観察していた。
戦を。
国家を。
文明を。
そして一人の男を選んだ。
坂本遼はノートPCの画面を見つめていた。
AI「KAGURA」が解析を続けている。
文明シミュレーション 進行中
対象文明
戦国日本
信長がその横に立っていた。
「坂本」
「未来は何を見ている」
遼は画面を指した。
「人間です」
信長は笑う。
「人間とは面白いものだ」
その瞬間。
AIの画面が変わった。
文明解析結果
遼は目を見開いた。
表示された新しい項目。
文明発展確率
戦国日本
候補指導者 一覧
いくつもの名前が並ぶ。
武将の名前。
大名の名前。
その中に。
織田信長。
豊臣秀吉。
徳川家康。
そして。
確率が表示されていた。
遼は息を呑む。
信長 72%
秀吉 18%
家康 9%
その他 1%
信長が画面を見る。
そして笑った。
「未来は我を選ぶのか」
遼はゆっくり言った。
「文明を一番早く進める人物」
信長だった。
信長は刀を肩に担ぐ。
「なるほど」
そして空を見上げる。
「未来は分かっている」
その時。
AIが新しいメッセージを表示した。
文明最適解
対象
織田信長
その下に新しい文章。
「介入開始」
遼の背筋が凍る。
「……介入?」
信長が言った。
「坂本」
「未来は何をする」
遼はゆっくり答えた。
「信長を勝たせます」
信長は静かに笑った。
「面白い」
そして言った。
「ならば」
刀を抜く。
「未来ごと、我が手に入れよう」
その瞬間。
AIの画面が赤く変わった。
システム警告
文明介入者 接近
遼は画面を見る。
未来人
数
「4」
遼の声が震える。
「……また増えた」
第14話を読んでいただきありがとうございます。
AIは織田信長を「文明の最適解」と判断しました。
しかし未来からの介入者は増え続けています。
戦国時代は、ただの歴史ではなくなっていきます。




