第13話 文明シミュレーション
AIは戦を計算していた。
だが、それはただの戦術解析ではなかった。
坂本遼はノートPCの画面を見つめていた。
AI「KAGURA」が新しいログを表示している。
文明シミュレーション 進行中
遼は息を呑んだ。
「文明……?」
戦の分析ではない。
歴史の分析でもない。
もっと大きなものだった。
信長が横から画面を見る。
「坂本」
「その文字は何だ」
遼は答えた。
「AIの解析です」
信長は首をかしげる。
「AIとは何だ」
遼は少し考えた。
「未来の知恵です」
信長は笑った。
「なるほど」
そして画面を見る。
「この戦を見ているのか」
遼は首を振った。
「違います」
画面を指す。
「人間を見ています」
信長が静かに言う。
「人間?」
遼は説明した。
「文明の進み方」
「国家の作り方」
「戦の変化」
「全部」
信長は笑った。
「つまり」
刀を肩に担ぐ。
「この世は実験か」
遼は何も言えなかった。
その時。
AI「KAGURA」が新しいメッセージを表示した。
システムログ
文明最適化プログラム
フェーズ2
遼は画面を見つめる。
その下に小さく表示された文章。
「対象文明」
戦国日本
信長がその文字を見る。
そして笑った。
「坂本」
遼を見る。
「未来は我らを試しているのか」
遼はゆっくり頷いた。
「……はい」
信長は空を見上げる。
夜空には星が広がっていた。
「ならば」
刀を抜く。
「未来に勝てばよい」
その瞬間。
AIが新しい警告を出した。
新規介入者 検出
遼は画面を見る。
未来介入者
数
「3」
遼の声が震えた。
「……増えてる」
第13話を読んでいただきありがとうございます。
AIが行っていたのは、戦の解析ではありませんでした。
文明そのもののシミュレーション。
そして戦国時代に現れた未来人は、さらに増えていきます。




