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【第二話】見たら死ぬビデオ

いらっしゃいませ。

またいらしてくださったのですね。


気に入っていただけたようで嬉しいです。

外は結構雪が降っていたので心配だったのですが、無事でよかったです。


では、今日もこちらへどうぞ。貴方の特等席です。

本日はホットレモンティーとシフォンケーキのセットです。


今日は前回より怖い話を聞きに来た?

ふふ、そういうと思って特別に怖い話を用意しております。


タイトルは・・・


『見たら死ぬビデオ』


__俺は斎藤蓮。二十歳の大学三年生。

レンタルビデオ店でアルバイトをしている。

バイトでレンタルビデオ店を選んだのは、この店で"見たら死ぬ"といわれているビデオがあるからだ。


今日は店長と二人で仕事なので、詳しく聞いてみる。


「店長、"見たら死ぬビデオ"ってあるんすか?」


「ああ・・・"昔は"あったよ」


「"昔は"ってことは、さすがに処分したんすか」


「いいや、ずっと借りっぱなしなんだ」


どうやら、借りた人が死んでしまったためずっと借りたままになっているようだ。

もしかしたら遺品整理などで捨てられたのかもしれない。


このビデオ目当てでここのバイト選んだのに意味ないじゃん。


「ちなみにそのビデオって何ですか? やっぱ貞男とか?」


「・・・いいや、ごく普通の子供向けアニメだ」


大体、ホラー映画とかそういう怖い作品じゃないの?

ますます興味がわいてきた。


「一体普通のビデオと何が違ったんです?」


「うーん、俺も見たことはないから分からない」


店長はそのまま昼休憩に入ってしまった。

店内には複数人のお客さんがいるが、一人でも回せる。


このバイトほとんど暇だし、サボってても何も言われないから最高なんだよな。


レジにある椅子に座り、漫画を読む。


すると一人のおじさんがレジに来た。

このおじさんは青白い肌に不潔な服。少し異臭がする・・・


「・・・DVD返しに来ました」


「あー すんません、借りるときに使ったカード持ってません?」


「・・・DVD返しに来ました」


なんだこいつ。不気味すぎる。


「やっぱいいっす ありがとうございましたー」


本当は返却時にカードが必要だが、何するか分からないので適当にあしらった。

するとおじさんはトボトボ店から出て行った。


おじさんの返却したDVDを戻しに行こうとしたとき、あることに気が付いた。


「これって・・・ ゴーゴーせっけんマンのDVD?」


あのおじさん、いい年してこんな子供向けのアニメ見てんのかよ・・・

ん?そういえば店長が言ってた"見たら死ぬビデオ"ってこれのことか?


まさかな・・・だって"見たら死ぬビデオ"を持ってた人は亡くなったんだから・・・

でもさっきのおじさん、なんだか不気味だった・・・


そこで俺はレジの後ろにあるパソコンで、『松川市 見たら死ぬビデオ』で検索をしてみた。


一番上に出てきた記事をクリックする。

それは三年前に松川市で起きた事件の考察をしているサイトだった。


読み進めていくと、亡くなったのは松川市に住む正木智一さん。四十五歳の男性で自宅で首を吊り死亡。

このブログを書いている、"真田"という男性は亡くなった正木さんの友人みたいだ。


真田さんの話だと正木さんは、ホラー作品が大好きなごく普通のサラリーマンだったらしい。

ある日、正木さんは"見たら死ぬビデオ"を借りたと話していたようだ。

正直、真田さんは信じていなかったため正木さんを止めようとはしなかった。


でも突然連絡が来なくなり、心配になった真田さんは正木さんの自宅へ行く。

そしたら、部屋で亡くなっていたらしい。


でも、一つ気になるのは"見たら死ぬビデオ"は真田さんが処分したと書かれていること。


真田さんも"子供向けアニメがまさか呪いのビデオだったとは思わなかった"と画像付きで言っている。

手元にあるビデオと照らし合わせてみるとやっぱり同じものだ。


一番下に、真田さんにつながる電話番号が書いていたのでかけてみることにした。


ピリリリリ・・・


なぜだ、おかしい。"休憩所から着信音が聞こえる"


ガチャ


「もしもし」


紛れもない、店長の声だった。


「・・・店長 お話があるんですが」


休憩所から店長が出てきた。

少し早いが、今日は店を閉めることになった。


俺は、さっき来たおじさんの話とビデオの話を店長にすべて話した。


すると店長は驚いた表情で俺に言った。


「裏でレジの監視カメラ見てたけど・・・誰も来てなかったよね?」


俺はぞっとした。じゃあさっき来たおじさんは誰なのか・・・


「店長、このサイトの管理人の"真田"っすよね ビデオは捨てたんじゃ・・・」


「ああ、俺が"真田"だ

 本名が田中真一だから"真田"

 ビデオは捨てた・・・ というか"置いてきた"んだ」


店長のこといっつも"店長"って呼んでたからフルネーム知らなかった。


そこから、店長の話が始まった。


「俺は正木と高校の頃から仲が良くて、こんなに気の合う人はいなかった

 でも、正木は俺の妻と不倫をしていたんだ・・・

 それが許せなくて、俺は…"見たら死ぬビデオ"といわれているこのDVDを正木に渡した

 連絡が取れなくなったあと、正木の家に行ったら・・・

 俺は怖くなってその場をすぐに立ち去ったんだ

 だからその後ビデオがどうなったか知らない」


「店長も悪いけど、不倫もなかなかひどいっすね・・・」


「本当に死ぬなんて思わなかった どうせ嘘だろうって半信半疑で渡しただけだ」


「まあ死因も自分で・・・ですよね それならビデオが原因かなんてわかんないっすよ」


すると急にパソコンの画面が真っ黒になった。


「ゴー♪ゴー♪ せっけんマーン♪あーわあーわ♪」


キーの低くなったゴーゴーせっけんマンの主題歌がパソコンから流れる。


「うわあああ!!正木の・・・呪いだ」


店長はパニックになり、頭を抱えてしゃがみ込む。


パソコンの画面には真っ暗な空間にさっきの青白いおじさんが手招きしている映像が流れた。


「これ、正木さんじゃ・・・」


店長はすぐそばにあった、防犯用に置いてあるゴルフクラブでパソコンの画面を何度もたたいた。

さっきまで流れていた音楽や映像は止まっている。


俺は怖くなって店長のそばから離れた。


「はあ、はあ・・・これで・・・」


店長はパソコンを覗き込み、ちゃんと壊れたか確認している。


すると壊れたはずのパソコンの画面が光った。

俺はパソコンから遠い場所にいるので、パソコンの画面までは見えない。


パソコンから、壊れた機械のような音声が流れた。


「ヤッドミデグレダ・・・」


店長はそのまま後ろに倒れた。息はしていない。

その時の店長の顔は、白目で笑っていた。



__おしまい。


どうでしたか?

前回よりも怖くてよかった・・・?


ありがとうございます。

確かに"呪い"は怖いですね。


貴方も誰かに恨まれないよう、気を付けてくださいね。

ふふ、冗談です。



では、またお待ちしております。

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