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prelude


 礼拝堂のさらに奥。

 選ばれし者のみが開くことを許される扉の先に広がるのは、四方を厳かな壁に囲まれ、上へと開かれた吹き抜けの空間。

 小さな森といえるほど木々が生い茂り、天井は緑の葉に覆い尽くされている。

 

 最奥部の祭壇に座すは一本の樹。

 樹は、5人がかりで手をつないでやっと囲めるほどの幹を持つ巨木であった。

 幹の根元には大きな穴――樹洞があり、一度入ってしまえば二度と出ることはかなわないと思えるほど深い。

 

 その御神木の前に、一人の少年が佇んでいた。

 彼の左手には、四本の弦が張られた木製の楽器。

 茶色い胴部の滑らかな曲線を、緑葉の隙間から差し込む光の線が艶やかに輝かせている。

 その楽器はヴァイオリンと呼ばれていた。

 

 遥か遠くから聞こえる小鳥の声でさえ煩く感じるほどの静寂の中、少年は目を瞑り、大きく息を吸って吐き出す。

 ヴァイオリンを構え、右手に持つ幻奏馬の尻尾の毛でできた弓を静かに弦へと乗せる。

 そして再び息を吸い込み、右手を引いたその瞬間、静寂が破られ、少年の奏でる音色が響き始める。

 

 力強くも儚い旋律が空間を満たしていくと、少年の周りには握りこぶしほどの光の玉がぽつぽつと現れ始める。

 演奏が進むごとに光の玉は大きくなり、既に倍以上の大きさとなっている。

 そして、少年が演奏を止めたとき、光の玉は樹洞の中へと吸い込まれていった――。




お読みくださりありがとうございます!

悠木 亮と申します!

連載としては初投稿となりますが、この先絶対面白いと言ってもらえるようなファンタジー×音楽の話を考えておりますので楽しんでいただければ幸いです!

ブックマーク等されちゃったりなんかしたときには嬉しさのあまり踊り狂う自信があります。


5話くらいまで毎日20時30分投稿頑張ります!

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