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『実戦では役に立たないと言われたガンナーさんが異世界入り』  作者: 鼓動大路
二章・あばよゴーマー、こんにちわグラシエラ
15/22

激闘

特になし

「俺がいくさ人らしくない殺し方で騎馬武者を討ち取ると怒るくせに、実戦だと使い物にならないのび太って何なんだよ!!!」

 気がついた時、グラシエラ・祐直はダークエルフの元総大将・高尾太夫をダブルバレルショットガンの銃床で何度も何度も何度も何度も殴っていた。

「あのーおじさん、見せ場はくれるはずじゃ……」

「お前にはまだ機会があるだろう! 詐欺師・誇大広告・役立たず・無能……ありがたくって涙も出やしねえ!!!」

 墓に眠る闇の軍勢の中でまだ倒していなかったダークドラゴンゾンビも、祐直はカール・グスタフを何度も浴びせて狙撃砲で頭に穴を開けた。

「何の能もねえマヌケが異世界に行って、面白くもねえご都合主義で英雄女傑扱いされるのはよくて、何で俺は『実戦じゃ使えない砲術を後生大事に抱えたバカ』扱いなんだ! 俺が公式殺害数を記録すれば雑魚首で誇るなと言い、残さなければ臆病者扱い、何なんだお前ら!!!」


『そうやって時々発作起こすところが嫌われるんじゃないか?』


 と孫市は思ったが、とりあえず最悪の事態に備えてモシン・ナガンに麻酔弾を装填する。


「俺、松◯清張先生のご家族撃った覚えねえぞ……何か恨まれるようなことしたか?」


『うわべのプロフィール見た印象で適当に短編(『火の縄』)書いただけだろ』

 孫市はグラシエラを見て照準を合わせる。500mでスコープ越しにグラシエラが目配せする。

 

「おじさん……怒らないし恨まないから、狙撃術の暗黒面に堕ちきったほうが楽じゃない?」

 しゃがみ込んで激しく嘔吐するグラシエラの背中を、泰隆がさする。

「出来るならやってるよ……」

「事情はよくわかりませんが、お湯でそこら辺に生えてた毒草煮出しましたので、これ飲んで落ち着いてください」

 高尾太夫が差し出した湯呑みの中身をグラシエラはぐっと飲み干し、更に嘔吐する。

「殺す気か!」

「そのつもりですけど……」

 グラシエラ・祐直はダークエルフの元総大将・高尾太夫をダブルバレルショットガンの銃床で何度も何度も何度も何度も殴った。

 

「なるほど、戦の間の座興で虎を撃ち損じたことと、助ける義理もない主の奥方をほったらかしたことを四百年以上イジられていると」

「俺は悪の敵だが、正義は味方しちゃくれなかったんだよ…」

 高尾太夫は祐直の愚痴を聞きながら、秘伝のタレに漬けたコカトリスのねぎまとぼんじりの串を出した。

 何の気なしに口にした祐直が泡を吹いて倒れる。

「殺す気か!」

「ですから、そうです」

「しょうがないな……じゃあ、すなぎもとせせり」

「あいよ」


 ふにっ


「あれっ? すなぎもをここにおいた覚えは……」


『それはすなぎもではない』

『私の白子(精巣)だ』


 テンガロンハットを被って、ブリーフを穿いた雑賀孫市が高尾太夫の前に立っている。

 

 頭をブリーフの中に押し込まれ、悶絶して泡を吹いて倒れたところを、エス◯ンフィールドの場外までグラシエラのバットでかっ飛ばされた。

 そこから一行が去るまでのことを、高尾太夫は覚えていない。

 以後、慟哭の谷にある彼女の墓前には、煮た油揚げに酢飯を詰めたものが供えられ、それを見るたびに酷く怯えるようになったということだ。

特になし

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