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異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜  作者: カイ
第2章 エルフの隠れ里〜

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83、いろんなな街へ行ってみよう! 2

一瞬でまたラーシェさんの家の裏手に戻ってくると、ルーシェさんははぁ……とため息を一つついた。


「あんなに早く気づかれるとは思わなかったなぁ……。ごめんね、変なところ見せて。今度、改めて僕の両親に挨拶しにいってもいいかい?」

「はい、わかりました!あ……もしかして王立魔法師団長って、お父さんだったりします?」

「やっぱり気づかれちゃったかぁ〜。そう、あの人が魔法師団長なんだよ。僕はこの里で生まれ育ったけど、父さんが魔法師団長に選ばれてからは王都に住んでいたんだよね。大人とみなされる300歳を超えたところで俺は家を出て、ローランの街の冒険者ギルドマスターになったわけさ。当時は王都の冒険者ギルドに登録して活動していたんだけど、ローランのギルマスが高齢だから引退するってことで引き受けることになったんだ。まだ12年しか経ってないから、僕のチームメンバーは王都で暮らしているんじゃないかな。」


ルーシェさんは懐かしむような目をしてかすかに笑った。

やっぱり冒険者時代の仲間には思い入れがあるのだろう。


「さて!次はお待ちかね?のローランの街だよ!さぁ、ローランからここまで戻ってこれるかな?」


さっぱりした顔をしたルーシェさんに手を取られて転移する。


出た先は、この前見たばかりのギルマスの部屋だった。

……と、光がやむ頃にドアが開き、誰かが入ってきた。


「お帰り、ルーシェ。仕事やりにきたのか?」


どうやらドアを開けたのは副ギルマスのライクさんだったようだ。


「違うよ、ライク。シエルくんに転移魔法のテストをしているんだよ。今のところスノービークからエルフの里へも、王都から里へも成功しているんだ。だから3回目のテストはここローランから里への転移を選んだよ。」

「なるほど……まぁ、ルーシェが夜にきちんと仕事をしてくれているからこちらの方は問題は起きていないし、まだ今の状態でも大丈夫だからお前も頑張れよ?」


そう言ってライクさんは俺の頭をぐいぐい撫でてきた。

……ホント、俺の父さんの手にそっくりだなぁ。


俺が撫でられながらそんなことを思っていると、ルーシェさんが「さて、そろそろ元の場所に戻ろうか!」と言って俺の手を繋いできた。


「じゃあまた後でね、ライク。なんかあったらそっちで処理しておいてね!」


俺はライクさんにペコリと一礼すると里に向かって転移魔法を使う。


次の瞬間にはちゃんと里に戻ってきていた。


「おぉ〜、ローランからもきちんと戻ってこれたね!転移魔法を安定させるためにはしょっちゅう使うのが一番だから、何かあったらすぐ使うと良いよ!」

「はい、そうします!それにローランの俺達が泊まっていた宿にも食べたくなったら戻れますし、頑張ろうって気になりますよね!」


俺がそう言うと、ルーシェさんはフフッと微笑んでくれた。


「そうだね、そういう『目当て』があるとやる気が出るから成功率上がるよね。」


ルーシェさんはそう言うと、今までとは違ってすごく真剣な顔で俺を見据えた。


「最後に気を付けてもらいたい場所へ連れて行くつもりだけど、そこから帰ってくるのは僕が転移をするからね。ほんの少しの時間しか滞在しない予定だから安心して任せてくれないか?」


俺はルーシェさんが何をしたいのかわからないけど、とりあえず頷いておいた。

それからルーシェさんは改めて俺の手を握る。


「いいかい、向こうに着いても絶対に手を離さないでね。」

「はい、わかりました。」


それからルーシェさんは略式ではあるが、きちんと詠唱をし始める。

詠唱をするということは、間違いがあってはいけないということだ。

そんな場所へこれから向かうのかと思うと少し緊張してきた。


ルーシェさんの詠唱が終わると、転移のまぶしい光がほとばしった。


光がやむと、そこは砂漠みたいな土地の中にある、白くて高い塀に囲まれたとてもでかい街?が目の前に広がっていた。

そこはまるで地球の『砂漠の中のオアシス』を巨大な白い塀で囲んで街にしたような感じだ。

いったいここはどこだろう?


俺が疑問を訴える顔をしていたのか、ルーシェさんが俺を一瞥すると答えてくれた。


「ここはね、君が一番気をつけなければならない国だよ。そこまで言えば分かるかな?」


それを聞いて俺は驚く。だってそれは……。


「もしかして神聖法国、ですか?」

「そう、あそこに見えるのが彼の国だよ。こうやって見ると普通の国に見えるだろう?だけどあそこはとても特殊で、僕達亜人と呼ばれるものは人としてみてくれずに、捕まえられると奴隷として扱われる……そんな国なんだ。」


ルーシェさんは彼の国を見つめながら、そう語った。

そんなひどい国なんだ、神聖法国って……。

俺の中の彼の国に対する嫌悪感が増すのを感じた。


「……さて、あまり近くにいると見つかると悪いからもう戻ろう。あっ、行くよ!」


そう言うとルーシェさんはすぐに転移魔法を使った。



俺たちはすぐにいなくなったから知るよしもなかったが、その後すぐに背の高い浅黒い肌と黒髪の美女がその場に転移してきた。


「……転移魔法を使った痕跡は残っておるようだが、その先がわからないようになっているようだな。だが、とても強い力を持ったものが2人、ここにいたのは間違いない。一体何奴なのだ?少なくてもそのうちの1人は私と同じ気配を持つ者のようだったのだが……。」


その女はしばらくあたりを見渡していたが、それ以上何も得られるものがないと分かると1つため息をつき、また元の場所へと転移していった。

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