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異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜  作者: カイ
第1章 出会い〜旅の始まり

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42、ゴーダさんのご先祖様って?

それからしばらくしてゴーダさんが2つの長細い箱と長い大きな箱を持って帰ってきた。

そしてその長細い箱の1つを俺に、

もう1つをリッキーさんに、長く大きな箱をスコットさんに手渡す。


「3人とも、箱を開けてみろや。」


俺は箱を落とさないように、慎重に蓋を開けてみた。

すると俺の箱の中からは、まるで日本刀のような軽い反りと刃文がある片刃の剣が出てきた。

リッキーさんは自分の箱を開けずに俺の刀を見てゴーダさんに聞いた。


「……これは?おっちゃん、俺はこれ、見たことないぞ?」

「そりゃあそうさ。リキ坊の剣筋はこの剣には合わないからな。」

「じゃあシエルには合うっていうのか?」

「ああ、さっき少し見ただけだが、多分合うだろうな。おい、坊主、ちょっとその剣を振ってみろや!」


俺はいう通りにその剣を持ち、先程と同じく袈裟斬りをその場でしてみた。


「やっぱりな、坊主の場合はそれがぴったりだ!お前にはそれをやるよ。その代わりと言っちゃあなんだが、たまには顔出してその剣の手入れをさせてくれな?……大事にしてくれよ?」

「はいっ、大事にします!」


俺がニコニコ顔でそう答えると、ゴーダさんは満足そうに頷いた。


「それにしてもおっちゃんがそんな刀も打ったことがあるなんてなぁ。知らなかったぜ。」


リッキーさんがゴーダさんに聞く。

するとゴーダさんは神妙な顔をして首を横に振り、話し出した。


「これは俺が打ったんじゃねぇんだ。これはな、俺の遠い先祖が打った剣なんだ。それを代々技術を受け継いだ者が引き継いでいる品なんだ。」


ゴーダさんがそんな事を言ったものだから、俺は大慌てだ!


「えっ!?そんな大事なものなら、これは貰えないですよ!」

「いや、この話には続きがあってな……『いつかこの刀を自然と振れる者が現れるだろうから、その時にはその者に譲ってやってくれ』と、その異世界から来たご先祖さんが言っていたんだとさ。」


それを聞いて俺達はとても驚いた。

そりゃそうだよ、ゴーダさんのご先祖様が異世界人だったなんて!

それにまるで予言みたいな事を残したっていうのにも驚きだ。


「まぁ……そんなことだからよぉ、遠慮なく貰ってくれや!」


ゴーダさんはとてもいい笑顔をしている。

俺は遠慮するほうが失礼になると思い、有り難くいただくことにした。


「良いなぉ、シエル〜。俺もそんな刀欲しいなぁ〜。」


珍しくリッキーさんが羨ましそうな顔をしている。

そんなリッキーさんを見てゴーダさんが苦笑いした。


「そんなにあの剣が欲しかったのか?」

「ああ!すっごい欲しいっ!」

「……じゃあ、俺でよければお前にあの剣を打ってやるよ。それで良いか?」

「マジでっ!?やったぁ~!!」

「その代わり、さっき渡した剣は返してもらうから、剣ができるまで2日ほどかかるがその間はシエルが今まで使っていた剣で我慢しろや?」

「了〜解!楽しみに待っているよ!」


それを聞いてリッキーさんは飛び跳ねて大喜びしだした。

良かったね、リッキーさん!

お揃いの刀を持てると良いね!



それからスコットさんの剣の試し斬りがあったが問題などなく、そちらはスムーズに済んだ。

ゴーダさんがスコットさんの為だけに打った剣だもの、素晴らしい切れ味だったよ!


それから俺たちはまた店に戻り、やっと本題の鍋やらを見せてもらえることになった。


「ところで……鍋やおたま、包丁がいるってことだったが、坊主はどんな物を必要としているんだ?」

「えっとですね……鍋はいくつか欲しいんですが、このくらいの鍋ともう少し小さい鍋、あと片手鍋も大きさ違いで2つ欲しいです。できればみんな蓋付きで。あとこれはあるかわかりませんが、刻んだ野菜とかを一時的に入れておく網目状の器ってあります?あと、おたまは…わかります…よね?」


俺は業務用の寸胴鍋ぐらいの特大鍋を1つ、そして両手の取っ手がついている家庭用では結構大きめの鍋を1つ、そして片手鍋も2つ注文した。


「刻んだ野菜とか入れる器ってぇのはボウルかザルかどっちかのことだろう?それとおたまってぇのはこれだろ?」


ゴーダさんが店の棚から大きめのボウルとザルをそれぞれ2つとそれよりは小さいボウルとザルを2つ、それとおたまを1つ見本に持ってきてくれた。


「そう、おたまはこれです!これを3つ欲しいです。」

「……なるほどなぁ、坊主……異世界人だろ?」


ゴーダさんにそう言われて俺はビクッとしてしまった。


「……何故、そう思いました?」

「そりゃあこれを『おたま』なんて呼ぶの、異世界人のご先祖様だけだぞ。料理人も一般人も普通はこれを『スープレードル』って呼ぶからなぁ。」


マジかぁ……失敗したぁ。

俺が顔を手で覆って反省していると誰かが頭をぽんぽんと撫でてきた。

顔を上げるとリッキーさんの苦笑いが見えた。


「大丈夫だよ、シエル。おっちゃんは優しくて、とても口の硬い人だ。それに気づいていたか?おっちゃんがご先祖様のことを全く隠さずに俺らに話すのを。」


それを聞いて俺はハッとした。

そうだよ、ゴーダさん、ご先祖様が異世界人なのを全く俺達に隠してない!

それって、俺たちのことを信用して話してくれていたんだ!

俺はそれに気づき、ゴーダさんを見る。

ゴーダさんはニコニコ笑顔で頷いた。


それからゴーダさんは俺の注文通りの鍋を店の奥から出してきてくれた。

残りは包丁なんだけど……。


「包丁はどんなのが良いんですかねぇ…色々なものを切ることになると思うんですが、やっぱり切るものによって替えたほうがいいですか?」


するとゴーダさんも腕を組んで悩みだした。


「そうさなぁ……俺自身は料理を作らんからよくわからんが、料理人によっては替えるやつもいるな。だがご先祖様は『三徳包丁』なる物を作っていたぞ?知っているか?」

「えっ、三徳包丁ですか!?」


ゴーダさんはカウンターの近くにある鍵付きの引き出しから1つの箱を出してきた。

その箱を開けると、中には確かに『三徳包丁』が入っていた。


「これは確かに『三徳包丁』ですね!これなら肉も魚も野菜も全部切れますね!」

「おう、これを気に入ってくれたか!ご先祖様と同じだからなんとなく気に入ると思ったんだよ!」


これまたゴーダさんはとても嬉しそうにしている。

ゴーダさんにとってご先祖様は大切で大好きな人なんだろうなぁ。

するとゴーダさんが何か思いついたようで、ぽんっと手を打ち合わせた。


「そうだ、もしかしてこれも坊主なら料理に必要じゃないか?」


そう言って包丁の隣の引き出しから何かの箱を取り出した。

俺はその箱を開けて驚いた。


「あ、ピーラーだっ!」


そう、まさかの異世界で皮むき器のピーラーがあるとは思わなかったよ、しかもじゃがいもの芽を取る部分付きで。

それを見て『ナイスタイミングだっ!』と心の中で叫びつつ、ピーラーも購入することにした。


とりあえず欲しいものは全部揃ったのでここで会計をお願いした。


するとリッキーさんが「俺たちの分もこれからは作ってもらうんだろうから、代金は俺たちが出すよ。」とにこやかに言ったので、チーム内の俺の料理当番は決定したようだ。

もちろんリッキーさんには手伝ってもらわなきゃね!


俺たちはゴーダさんにお礼を言って店を出る。


さあ、宿に帰ったら早速カレーを作らなきゃ!!

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