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3、ここは、どこ?

「おい、大丈夫だったか?」

 

大剣を肩に担ぎながら大柄な男が俺に声をかけてきた。


「はい、ありがとうございました!おかげで助かりました!」


俺が男にお礼を言うと、男はにかっと笑って俺の頭をグシャグシャと撫でてくる。


「ホント、グレートウルフの亜種が君の方に走っていった時は肝を冷やしたわよ。無事で良かったわ!」


そう言いながら妖艶な雰囲気の女性が俺の側まで歩いてきた。

他の2人もゆっくりと歩いてくる。

4人が俺の周りに集まったところで自己紹介が始まった。


「俺達は『スノーホワイト』っていうBランクの冒険者のチームだ。俺はリーダーのスコット。よろしくな!」

まずは一番大柄な大剣使いの男が挨拶をしてきた。

彼はとても大きく、俺の目線が彼の腰の少し上くらいの位置にあるほどだ。

髪型は短髪で、額にバンダナを巻いている。

金髪、碧眼でワイルドな感じのイケメンだ。


「私は攻撃魔法担当のメアリーよ。よろしくね。」

次に挨拶してきたのは先程スコットさんの次に声をかけてきた妖艶な雰囲気の女性だった。

長い黒髪を後ろで三つ編みにしたちょっとキツめの顔の美人だが、雰囲気とは違い笑顔がとても優しそうだ。


「俺は斥候担当のリッキーだ。ホント、お前運がいいな!グレートウルフが攻撃を外すなんてな!そうじゃなかったら俺たちが追いつく前にやられていたぜ?」

そう言ってウインクしてきたのはメアリーさんより背が高くて細マッチョな体型の男だった。

見た目はなんだか軽そうな感じで、薄い茶色の長髪を両脇だけ後ろで結んでいる。

目の色は髪色より濃い茶色だ。

彼はどうもこのチームのムードメーカー的存在なのか、とてもフレンドリーな人のようだ。


「えっと、私は、回復魔法担当で、リリーって言いますっ!よろしくですっ!あっ、もしゲガをしているなら言ってくださいね、すぐに治しますからっ!」

慌てたように声をかけてきたのは見た目はとてもおっとりとした雰囲気の、ふわふわのウェーブがかった薄い金髪を肩で切りそろえた可愛い感じの女性だった。

話し方からするともしかすると軽く人見知りをするタイプなのかな?


「俺の名前は『沖 紫惠琉』っていいます。シエルって呼んでください。」

最後に俺が自己紹介をした。


それにしても彼らはそれぞれ高い低いはあるが、4人揃って俺よりも背が高い。

1番低いリリーさんでさえも俺の目線より少し上に顔がある。

この世界の人たちはみんな背が高いのだろうか…


「それにしても君はまだまだ子どもなのに、こんな危険な森に1人で一体何をしていたんだい?」


そうスコットさんが言ってきたので軽くショックを受けた。

やはり身長が低いから子どもだと思われたんだろうか。


「それになんだか見たことのない服装をしているわね。しかもサイズが合ってないみたいだし。」


そう言われて俺は自分の体を見下ろした。

確かに言われてみればなんだか少しぶかぶかだ。

日本にいたときにはくるぶしくらいだったパンツの丈が地面に擦っているようだし、上着の肩幅や身幅なんかも全然合ってない。

靴も多少大きくても履けていたので気づかなかった。

一体どうしたんだろうか…?

まさか、身長が縮んだ…?


俺が軽くパニックになっている間にスコットさんとリッキーさんは全ての倒したグレートウルフを回収してきたようだ。

2人の持っている鞄は俺が持っている肩掛け鞄のように一部を中に入れるとスルスルと吸い込まれる性質を持っているようだ。

それにあんなに大きなものを入れたにも関わらず、全く見た目の大きさなんかも変わらないようだ。


「…言っても信じてはもらえないでしょうが、俺、どうも違う世界からここへ来たようで…。元にいた世界で落とし穴みたいなものに落ちたと思ったらこの森にいたんです。」


俺が正直にそう告げると、4人は驚きに目を見開いた。


「…たしかに過去にもそんな人物がいたと文献にも載っていましたね。とても珍しくて、1番最後に発見されたのは確か100年前くらいだったはず。」


そんなことをリリーさんが言ってきた。

良かった、過去にも一応前例としてあって。

それなら疑われなくてもすみそうだ。


「だからそんな変な格好をしているのね。あっ、そういえば確か『落ち人』はいろいろなスキルなんかを持っているって聞いたことあるわね!」

「そうなんですか?それはどうやって確認できるんですか?」

「確認はステータスボードを出してみることができるわよ!声で『ステータスオープン』って言えば目の前にステータスが出るわ。ただし、それを見ることができるのは本人のみよ。」

「なるほど!じゃあ早速見てみます!『ステータスオープン』」


メアリーさんがやり方を教えてくれたので、早速やってみた。

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