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異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜  作者: カイ
第1章 出会い〜旅の始まり

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26、卵が!?

翌朝、俺はスッキリとした気分で目を覚ました。

…あれっ!?見張りは!?

俺は焦って寝袋から出ると焚き火の側にいる皆のところに駆け寄った。


「おはようございます!すみません、昨晩は見張りができなくて!」


俺が焦ってそう言うと、皆が気にするなと口々に言う。

「まだ子供のお前には、あれだけ魔力を使った後だし無理をさせたくなかった」と言われれば引き下がるしかない。

…見た目は子供だもんなぁ〜…体力もだけど。

精神的には28年間生きてきた記憶と経験があるけど、どうもこっちの世界に来たら14歳という肉体年齢に精神年齢も引きずられているような気がする。

考え方なんかはあまり変わってない気がするけど、言葉遣いの変化や感情の起伏が激しくなった気がするし、顔にも出やすくなった気もする。

…まぁ、向こうではよく友人には『枯れている』と言われ、知人には『近寄りがたい』と言われていたから、今のほうがとっつきやすくなって良かったのかもね。


それから俺達は朝食を各々のマジックバッグから出し食べ始めた。

今日の俺の朝食は『蒸した鶏肉と野菜が挟んであるサンドイッチ』だ。

皆もいろいろ出して食べているが…あれ!?リッキーさんが食べているのって、もしかしておにぎりか!?


「リッキーさん!今食べてるのっておにぎりですよね!?」


そんな俺の声を聞いて、リッキーさんは食べながら顔を上げる。


「…ん?そうだな、でもそれがどうかしたか?」

「それ、俺のいたところでもよく食べられてたんですよ!どこで売ってましたか!?あの広場にある屋台ですかっ!?」

「お前はちょいと落ち着けよ。ん~、正確にはあの屋台広場では売ってない。お米屋さんの店先で売られているんだよ。俺、ご飯が大好きだからおにぎりをよく買いだめしておくんだよな〜。シエルも食べたければ1つやるよ?」


そう言ってリッキーさんは俺におにぎりをくれた。

やったぁ~!おにぎりゲット!!


早速俺はおにぎりにかぶりつく。

中は甘辛い鶏肉の細切れが入っていた。

これなら万人受けしそうな味だから売れそうだね!


俺があまりにも幸せそうに食べていたからなのか、皆ほっこりした顔で俺を見ていたようだ。

食べ終わって顔を上げると皆のそんな顔が目に入ってちょっと恥ずかしかった。


− − − − − − − − − − − − − − − − − − − −


食後のお茶を飲んでいる時、急にどこからともなくアラームが鳴り響いた。

それも、スマホから突如鳴る、日本の地震警報のような危機感を煽るタイプのアラームだ。

俺達はびっくりして辺りを見回し、警戒をした。

するとアラームの他にも何かが聞こえる。

耳を澄ますと、アラームの合間に『警告です!卵がもうすぐ孵化します!』という言葉が繰り返されていた。

それに気付くと、俺は慌てて鞄に近寄って卵を取り出す。


取り出してびっくり、なんと卵の大きさが俺の身長を超えていたんだ!

これにはみんなも驚いた。

そりゃあ2日前にはまだ俺の膝に乗せることができたんだから、驚くのも当たり前だ。


「おいっ、これめちゃくちゃデカくないか!?成長早すぎだろうっ!」

「それよりも卵でこの大きさなんだから、これくらいのデカい竜が孵化するってことだよな…?凶暴性はないんだろうか?」

「そうよね、そこが一番大事よね!?」

「大丈夫ですよ、シエルくんの従魔になるんだから怖い存在にはならないですよ!……たぶん?」


みんな口々にそんな事を言っていたが、怖いという気持ちは大なり小なりあるようだ。


俺は卵に手を置きつつ語りかける。


「ようやく産まれてくるんだな。早く会えるのが楽しみだよ!」


すると、それに答えるかのように卵がぐるんと回転した。

デカいから少しの動きでも迫力があるなぁ。


それからはある一定のリズムで卵が不規則に揺れるようになった。

俺はこの辺からこっそりとスマホを取り出して、卵から産まれるドラゴンと山田のために『誕生の瞬間』を撮影し始めた。

なんか親が子供の動画を撮影するのって、こんな気持なのかなぁ?なんて思ってしまった。


卵が揺れだしてからだいたい10分くらい経った頃、とうとう卵にひびが入った。

スコットさん達は固唾をのんで卵を見つめる。

俺も卵に手をおいて、ひびの近くで眺めつつ、撮影している。

卵は中から突かれているのか、かなり衝撃がある。

ひびはだんだん大きくなり、あっという間に殻が大きく割れた。

それからしばらくは中から『キュ〜』という鳴き声が聞こえていただけだが、とうとうその割れた殻の中から頭が出てきた。


出てきた頭は白銀の鱗で、先は丸いが2本角を持った、俺の想像するいかにも『ドラゴン』っていう顔をしていた。

ただ、目はとても優しい……というか、まだ幼い感じの柔らかい雰囲気の目だった。

子竜は直ぐ側に立つ俺に気づき、目を向けてくる。

そして俺と目が合うと『キュ〜』と優しく鳴いて頭を擦り寄せてきた。


「やあ、初めまして!やっと会えたね!」


俺はそう言うと子竜の頭を撫でてやった。

すると目を細めて気持ちよさそうな顔をする。


「シエルのその様子だと、そのドラゴンは凶暴ではなさそうだな…?」

「そうだな、あんなに人懐っこいなら安全だろうさ。それよりもシエル!ドラゴンの頭しかでていないから、早く殻から全身を出してしまえ!」


離れているリッキーさんに大きな声でそう言われて、そういえばと気がついた。

俺は卵の殻を片手で少しづつ取り除いていく。

子竜の方も俺が何をしたいのか理解したようで、自発的に殻を取り除いてくれた。


そして全身が殻から出ると子竜は羽ばたきを一つして、身体を伸ばした。

子竜の鱗は殻と同じ色で、基本白いのだが焚き火の光の当たり方によって銀色になって見える。その光景はとても綺麗だ。

子竜の全身は、日本で遊んだことのあるゲームに出ていたドラゴンのように二足歩行で前腕と翼が別になっている。

その翼は鳥と違い、まるでコウモリのように薄い膜が張られている。


子竜の全身はやはりあの卵の大きさからも分かってはいたが、かなり大きかった。

頭から尻尾の先までは多分3〜4m程度はあるだろう。

翼を広げると横も4m程はありそうだ。

まだ赤ちゃんのはずなのに、もうこの大きさ。

将来はどのくらい大きくなるんだろう。

俺と一緒に行動するには、街中でこの大きさは今でも無理だ。

このまま鞄の中に入れるのかな?


……入れなかったらどうしようか?

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