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異世界のんびり漫遊記  作者: カイ
第5章 再度、スノービーク〜

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204、名前を決めよう!

思わぬほどに小さなフェンリルを勧められて驚いていると、ブリーズさんとそのとても小さなフェンリルはしょんぼりとしてしまった。

どうやら否定されたと勘違いしたらしい。

俺は慌てて返事を返す。


「いや、別に嫌だと思っているわけじゃなくて、ちょっと予想外だっただけなんです。」

「……予想外?」


ブリーズさんは俺の言葉を聞き、首を傾げた。


「そうなんです、てっきりブリーズさんを仲間にしてくれと言われるかと思っていたんですよ。」


俺がそう伝えると、ブリーズさんは納得した顔になった。


「なるほど、確かに我が仲間になれれば1番力になれたのですが、我にはこの森を守るという使命がありますゆえにそれは叶いませぬ。であれば我の子でこれからの伸びしろが一番あるこの子をお側においてもらい、お力の足しにしてもらえればと思いました。もしであれば、この子を使役獣としてもらえませぬか?」


そう言って、ブリーズさんは自分の考えを伝えてくれた。

なるほど、確かにまだ小さいからこれからの伸びしろはたっぷりあるだろうし、これから永く俺の側にいてくれることもできるだろう。


俺が「ではありがたく受けさせてもらいます」と頷いて答えると、足元にいる小さなフェンリルは嬉しそうにちぎれんばかりに尻尾を振りまくった。……可愛いのぅ。


俺は早速足元にいた子犬……ならぬ、子フェンリルを抱き上げ、額を合わせる。


すると勝手に魔法陣が発動し、俺と子フェンリルを眩しいほどの光が包み込む。


その光が収まると、俺と子フェンリルとの間に契約が結ばれ、その子は俺の契約獣になった。


「これでその子はシエル様の契約獣になりました。さぁ、早速ですが名前をつけてやってくれませぬか?」


ブリーズさんにそう言われて、俺は名前を考える。


……う〜ん、親が「ブリーズ」だから「風」繋がりで「ゼフィア」なんてどうかな?意外とカッコよくない?


「……じゃあ君の名は『ゼフィア』なんてどうだい?」


俺がそう言うと子フェンリルは「キャン!」と一声鳴くと、俺の顔をペロペロと舐めてきた。……行動も子犬だね?


それから俺達は里へと帰ることになり、フェンリル達とともに里まで向かう。

道中はブリーズさんの背中にライトさんと共に乗せて貰い、里までの道を走った。

もちろんゼフィアは小さすぎるので俺が抱っこしている。

里の門まで到着すると、俺達はブリーズさんの背から降りて、そちらを見た。


「ブリーズさん、里まで送っていただきありがとうございました。とても助かりました。」


ライトさんがブリーズさんに向かってお礼を言う。

俺も続けてお礼を言うとブリーズさんは首を横に振り、「気にするな、我がやりたかっただけなのだから」と言った。


「それでは我らは森へと戻り、暫くは魔物の警戒を強めると致しましょう。お前も早く大きくなり、シエル様の役に立てるよう精進しなさい。……それでは、またいつか会いましょう。」


ブリーズさん達はそう言うと、踵を返して森の中へと帰っていった。

それを見送っているゼフィアは少し寂しそうな目をしていた。

そりゃあそうだよな、まだこんなに小さいのに親から離されるんだもんな……。

俺はゼフィアを胸元にぎゅっと抱きしめた。

するとゼフィアは俺の胸にスリスリとしてくる。

……ここらへんはユーリもゼフィアも赤ちゃんだから同じ事するんだな。


「ゼフィア、お前はやっぱり親から離されて寂しいか?」


俺は思わず聞いてしまったが、肯定されてももう帰すことはできない。


「ぼくはたしかにすこしさびしいけれど、ますたーがいるのでだいじょうぶです。」


そうたどたどしい口調で答えてくれる、ゼフィア。

案外しっかりした受け答えをしているから、思ったよりも赤ちゃんじゃないのかもしれないね。


……わかった、お前ももう家族の一員なんだから、寂しがる暇がないくらいに皆で可愛がろう。

俺はそんなことを胸に秘めつつ、門の中へと入る。


そこには少し青い顔したマッシさんが椅子に座ってこちらを見ていた。

ライトさんはすぐに駆け寄り、顔を覗き込む。


「大丈夫か、マッシ。めっちゃ顔青いけど?」

「……。」


無言でコクリと頷きはしたが、大丈夫そうな気がしないよ、マッシさん。

よほどこういう魔法に抵抗力がないのかな?


その後ライトさんがマッシさんに「お前、今日はもう交代してこいよ。もう少し体が慣れたら通常シフトで行けば良いから、暫くは仕事の日数減らすからな。ほら、シエルさんと行って交代してこい!」と言って背中を叩いて送り出した。

……手が痛かったらしく蹲っているけど、そんな硬いの、マッシさんの背中?



マッシさんと里の中に入り、少し歩いた先にある自衛団の建物へと向かう。

中からちょうど出てきた団員が、見張りのはずのマッシさんが歩いてやってくるのを見て驚いて走ってきた。


「おい、どうしたんだ!?何かあっ……え?顔真っ青だが大丈夫か?」

「……。」


相変わらず何も言わないマッシさんに代わって俺が事の次第を話す。


「……なるほど、そりゃあお前無理だわな。幻惑魔法と言わず、魔法全般が弱点みたいなもんだもんな。まぁ、そういう事なら仕方がない。暫くは身体を魔法に慣らすのに専念しろよ?後は俺に任せて、家に帰って寝てろや。」


その団員さんはそう言って苦笑いをする。

……そうなんだ、マッシさん、エルフなのに凄く珍しく肉体派だと思ったら魔法が苦手だったんだね。

もしかすると、だからこそ体を鍛えてみんなの役に立とうと思ったのかもしれないな。


俺は具合悪そうなマッシさんを家まで送り届けるとマッシさんに寝てるよう言い、テーブルの上に昼食と夕食用のご飯を1食分……にしては大量だけど、置いてからゼフィアを連れてラーシェさんのところへと転移した。

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