11、お風呂場にて
脱衣所ではスコットさんとリッキーさんもお風呂に来ており、3人で入ることに。
風呂場では俺達3人以外に客はおらず、貸切風呂気分を味わえた。
こちらの風呂も日本の旅館同様、体を洗える場所がいくつかと大きな湯船がある感じだ。
洗い場にはさすがに日本のシャンプーみたいなのはなく、固形の石鹸が置いているだけだった。
とりあえずその石鹸で頭から足の先まで全部洗ったが、髪はバリバリになってしまった。
…ん~~、リンスやトリートメントみたいなのないかなぁ?
体を洗い湯船に入ると、思わずおっさんみたいな声が。
それも3人で合唱みたいに出したものだから、お互いに顔を見合わせ笑い合う。
こういう温かい感じ、良いなぁ。
「ところでお前のあの鞄、どんな性能なんだ?物がたくさん入ることと本人以外は触ることができないのはわかるけどな?」
「う〜ん、俺も詳しくは理解してないんですが、少なくてもその2つの性能以外には生き物でも入れられることと時間経過がほぼない感じですかね。」
俺がそう言うと二人はとても驚いたようだ。
「ちょっ、えっ!?それってどういう原理!?生き物が入れられるのと時間経過がないのって相反してない!?」
「そうだよな、生き物なら時間経過がないってことはそのまま入れた状態で止まっているってことだもんな!中はどんなことになっているんだ?」
2人はものすごく悩んでしまったようで、腕を組んで首を傾げている。
「じゃあ後で中に入っている生き物を見せますよ。っていっても、生きていると聞かされただけで、ホントに生きているのかは確認してないんですが。実は鞄をずっと手元に置く理由がそれなんですよね。」
「なんだ、それ?すっげぇ気になる!」
「そうだな、鞄の中には一体何の動物が入っているのかは気になるな。」
「ん~、俺も鑑定してないから一体何の卵なのか分からないんですよね。」
「なに!?生き物って卵なのか?それってまだ生きてるのかよ?」
「そうだよな、普通は時間停止している状態では生きられないからな。」
「…後で見てみます?ここに持ってきているんで。」
「そうだな、それがいい。」
とりあえずこの話はここで打ち切って上がることにした。
あまり入っているとのぼせるからね。
脱衣所に行って服に着替えると3人で床に座り、俺は鞄から卵を出す。
2人はその卵に驚き、まじまじと眺めていた。
…あれ?
なんか卵、大きくなってない…?
初め俺が卵を受け取った時はダチョウの卵ぐらいだったんだけど、今は2回りほど大きくなったように見える。
「これがその卵です。なんか、一見すると薄いベージュ色の普通の卵に見えますが、角度によっては銀色に見えるんですよね…。一体何の卵なんでしょう?」
「いやいや、これ、普通じゃないから!普通の卵はこんなデカくないし、殻は分厚くねぇよ!少なくても俺はこんなに大きな卵は見たことがないぞ!」
「…こんなにでかいとなると、相当でかくなる生き物の卵だろうな。通常の生き物は卵ではなく赤ちゃんとして産まれるから、鳥系か爬虫類…これだけでかいとドラゴンなんてこともあり得るのか?」
「ホント、一体どんな経緯でこの卵を手に入れたんだ?訳ありなのか?」
2人がそんなことを聞いてきたので俺はこの世界に来る直前の話をした。
怪しいお店に怪しいお婆さんの話、店から出た途端に店が影も形もなく消え去ってしまったこと、その後穴に落ちてこの世界に来たこと。
それらを黙って聞いていた2人は風呂場と同じく腕を組んで悩み始めた。
「なるほどなぁ〜、そんなことがあったのか。」
「それにしても不思議な体験だな。まるでそこだけ違う世界だったかのようだ。しかし、そんな怪しい婆さんからよくいろんなものを購入したものだ。」
「確かに!かなり勇気あるよ、シエルは。」
2人は笑いながらそんなことを言う。
そんなこと言われても、あの時はかなり酔っ払っていたので不可抗力だと思う!
「とりあえず卵を鑑定してみますね。あ…俺、言い忘れてましたが鑑定スキルも持っているんですよね。まだ使ったことなかったですけど。」
「…なんでもありだな、シエルは。」
2人に呆れたような目を向けられてる中で俺は卵に鑑定スキルをかける。
『鑑定結果』
この卵は創造神から託されたとても希少なドラゴンの卵。生きている。卵は鞄の中にいてもシエルの魔力を吸い取る事ができるが、あまり離れたところにあると魔力は吸えないので注意。この卵はシェル専用なので他の人からの魔力は受け付けることはできない。大きさは最初に受け取った時からみれば大きくはなったが、まだまだ大きくなる。最終的に産まれる前には何らかのサインがあるので、その場合速やかに卵を出せる広い場所へ行き、卵をカバンから出して孵化させてください。
「…とりあえず卵は生きているようです。卵の中はドラゴンでした。詳しい種族は分かりませんでしたが。」
俺がそう鑑定結果を告げるとやはり2人はかなり驚いていた。




