追放と出会いのプロローグ
はい、懲りずにまた新しい作品を投稿したまるで学習しないフユルトです!!
―――――ある吹雪の中、一人の子供が泣いていた。
「なんで…僕、悪い子としてないのに…うぅ」
腰までおろした白髪に青い瞳、そして雪のような白い狐耳にお尻には尻尾が付いていた。何より女の子のような幼く、可愛らしい顔が一番印象的だ。
何故、『女の子のような』なのかというと…彼は男の子だからという他にない。
―――――三日前…
とある村で、一人の男が山へ行ったまま行方不明になった。
そして、真っ先に疑われたのがその山に住んでいる彼…シロ子だった。
「お前がやったんだろッ!?」
「な、なんで僕なの!?」
突然の出来事に動揺するシロ子に一人の男がとんでもない事を言った。
「お前がアイツを誘惑して食っちまったんだ!!そうに決まってる!!」
「えぇッ!?」
シロ子は他の村人に助けを求めたが…何故か村の子供達以外、味方をしなかった。
その子供達とは、小さい時に何らかの理由で親がいなくなってしまい途方に暮れていたところをシロ子に拾われた子と、村で勉強を教えていた子供の事だ。
「この女狐がヤったに違いない!!」
「シロ子ちゃんはそんな事しないもん!!」
「そうだ!!シロ子姉さんはそんなことするわけないッ!!」
「いや、僕は男だよ!?」
しかしその言葉を誰も信じてくれず、子供たちの奮闘虚しく村から追放されてしまうことに。
そして、村から出ていくときに子供たちが泣きながら話しかけてきた。
「シロ子ちゃんの事、守れなかった…うぅ」
「シロ子お姉さん、ごめんなさい…私達、何も出来なかった」
「僕は大丈夫だから…もし、なにか困ったことがあったら僕の家に行くんだよ?」
シロ子は泣いている子供達の頭を撫でて、村から出た。
その後も他の村をあたったのだが、もう周りの村にもその噂が広まっている様で、誰も相手にしてくれなかった。
「それにしても、みんな僕がいなくなって大丈夫なのかな…?」
何故、彼がそんな心配をしているのかというと、今まで村人がが満足に生活をしていられたのは、彼が妖術と呼ばれるものを使って、夏は川魚を凍らせて保存、冬は村に結界を張って畑の水路が凍らないようになど色々な事をしてくれていたからだ。
しかし、彼が心配しているのはあくまで子供達だ、村人達ではない。
「でも、困ったら僕の家に行きなさいって、言ったから大丈夫…だ、よね…」
この寒さでは流石に限界が来てしまったのか、倒れてしまったシロ子。
初めのうちは結界で何とかしていたが、維持するには妖力が必要不可欠なのだ、そう何日も張りっぱなしには出来ない。
そうして意識を手放しかけたところに、誰かが話しかけてきた。
「生きてるか?」
「う、うん…」
「そうか、すぐに助けてやる…死ぬなよ?」
意識を失う直前に、僕の目に映ったのは、自分をお姫様抱っこして駆け出した、ピンと立った獣耳に大きな胸とここでは珍しい褐色肌のとても綺麗な顔をしたオオカミさんでした。
いつ更新されるか…。