突然の音
ドン!ゴロゴロゴロ!!!
突然の 鈍くて深い音に びっくりして起きる
何の音か認識するのは 簡単だった
ただ その出来事に パニックになった
しかし 初めて見たソレを 私は冷静に分析した
♦︎♦︎♦︎
この辺りでは一番寒い時期の 2月
まだ日をまたいで 2時間しか経っていない
大きな物音に目を覚ますと
夫は ベッドの下に寝ていた
いや 寝ていたのではなく
目は見開いて 上を向いている
手足をピンと伸ばし…いや 反っていたのだ
そして 泡を吹き
とても荒い ケモノのような呼吸をしていた
私には分かったのだ
初めて見たソレが
何を意味するか
「てんかん発作だ」
そう 分かったのだ
パニックになった頭で
♦︎♦︎♦︎
手が震える
手が震える
手が震える
いつも使っている携帯が使えない
使い方が分からない
いや 知っている
使い方は知っているのに
使い方が分からないのだ
しかし その頭で
発作の時間
発作の部位
呼吸の様子
など観察しながら 体の周りの物をどかし
左向きに体位を変えている
私は パニックになりながら 冷静だったのだ
何とか電話を掛ける
救急隊が来るまで とにかく不安で
とても怖かった
ベビーベッドの7ヶ月は
異常事態を察知してか とても大人しかった
♦︎♦︎♦︎
初めて乗った救急車は
何とも言えない 不安と心地良さがあった
とても 心細かった
♦︎♦︎♦︎
救急病院で レントゲンやCTを受けた
心臓や肺には異常がない
てんかん発作を抑える薬をもらって
1時間程で 一時帰宅した
♦︎♦︎♦︎
夜が明けて
再度受診しなければならない
でも 夫が起きてこない
寝室では 体調の悪そうな夫が寝ている
声を掛けると
もう少し休ませて と
お昼寝前になんとか受診した
検査の結果
脳のMRIに 異常があると告げられた
病名は
たぶん
脳腫瘍だろう と
診察室では 頑張ったが
夫がトイレに行っている間
堪えきれず その場で泣いた