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「わんだふる」

挿絵(By みてみん)


 だれがなんと言おうと彼は緑色の犬です。

 まんまるな体に丸く黄色い瞳をしています。

 さんぽが好きでいつも私の側までやって来るのです。

 れもんが好きでよくかじりついています。

 ないている人がいれば側に来て慰めてくれます。

 いい犬です。

 でも少しだけ怠け者なのです。――――「わんだふる」に接触した人物の残した書記より引用


 「わんだふる」は緑色をした丸い犬のような生物です。

 サイズは個体によって異なりますが最小で体長60cm、最大で体長1mになります。

 彼らは特定の条件を満たす人物の元に突然現れます。


条件1:幸せな気持ちを三日以上継続して感じている。

条件2:一週間以上体力的な余裕がある。

条件3:犬が好きである。柴犬でもチワワでもドーベルマンでも品種は問わない。


 以上の条件を満たす人物の元に年間1%の確立で現れ懐いてきます。


 「わんだふる」は懐いた相手の側を片時も離れずついて回りますが懐かれた人間以外は彼らを認知出来ず、当人も「わんだふる」を通常の犬として認識し多くは「わんだふる」の主人となり彼らをペットとして飼い始めます。


 「わんだふる」は与えられたものはなんでも食べて元気に成長していきます。

 その中でも取り分けてレモンが好きなようです。

 何にせよ主人のもとで「わんだふる」は丸い体を更に丸々と太らしていくのです。

 そのふとっちょな体の割に活発でよく散歩に出かけます。

 この時主人も当然同行するので独り言を話しながら何かにひかれる様に歩いている人を見掛けたら「わんだふる」の主人である可能性が非常に高いです、そうでない場合が殆どですが。


 一見して見た目と出現条件以外は普通の犬である「わんだふる」ですが最も考慮すべき特性があります。

 それは主人となる人間が精神的、肉体的に弱ってしまった時に彼らの起こす通称「傷舐め」と言われる捕食活動です。


 主人が何かしらの要因で弱っていることを感知した「わんだふる」は主人にすり寄り頬を舐めてきます。

 これだけなら一般的な家犬にもよく見られる行動ですが「わんだふる」の行うそれには特殊な効果があります。

 主人が弱ってしまった原因となる病気や怪我、精神的苦痛、トラウマなどのマイナス要素を彼らは舐めることで捕食します。

 この捕食を行うことでそれらのマイナス要素は過去に遡って消滅し主人は元気を取り戻します。

 マイナス要素はその発生原因が「わんだふる」の「傷舐め」による過去改変の結果、「そもそも起きなかった」ことになるので主人の記憶からも消えいつも以上に主人は元気になります。

 主人が弱る度に「わんだふる」は「傷舐め」を行うので結果として彼らの主人である人物はいつも元気で過去を振り返らないエネルギッシュな人間になっていきます。

 「わんだふる」はそんな主人の元を嬉しそうについて回るのです。


 また「傷舐め」によって消滅した過去は元には      。

 消滅した過去は        に置き換わります。

 この事実に気付いた  がこれを   し「わんだふる」から     とした際、         。



 彼らの目的、存在理由は未だ不明です。

 あなたの元に現れた時は          仲良くしてあげてください。

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