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侵略者  作者: 京衛武百十
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指摘

この時、よくバレトがマリーベルの意図を理解したものだと思うが、それは実は、彼女が同時にハンドサインを出していたのである。


『撃て』


と。


マリーベルが、クレイドを実体化させる際に少し覗いた彼の知識の中にあったものを利用したのだ。まったく、悪知恵の働く少女である。


バレトがグレネードを放つ瞬間、彼の姿を隠すようにして立ち塞がり、グレネードが放たれたのを確認してそれを躱すと、さすがに反応が遅れたカルシオン・ボーレのパワードスーツに張り付いていたブロブに当たり、再び爆散した。それと同時に、マリーベルはその手に握られていた超振動ナイフを奪い取る。


そしてパワードスーツの背部にあったユニットにそれを突き立てると、致命的な損傷によりシステムがダウン。ようやくパワードスーツは沈黙したのだった。これでもう乗っ取られることもない。


マリーベルは別にパワードスーツの弱点を知っていた訳ではないが、所詮は機械。重要な部分が壊れれば全体が動かなくなることくらいは知っていたので、あてずっぽうでそれらしい部分を破壊してみたという訳である。


すると彼女は、おもむろにフィの方に向き直り、ナイフの切っ先を向けて言った。


「さて、どうやらこれでゆっくり話ができそうね。エクスキューショナー。


いえ、フィニス・ウォレド……!」


「……!?」


マリーベルが『フィニス・ウォレド』という名前を出した瞬間、外の音が聞こえていなかったカルシオン・ボーレを除きその場にいた全員の体に緊張が走った。


「…馬鹿な…!?」


バレトが声を上げる。当然か。彼もその名はよく知っている。ブロブに襲われて全滅した筈の第一次開拓団の一つを率いていたセルガ・ウォレドの一人娘の名前だったのだから。ネドルもそれで知っていたのだ。


「……嘘…?」


また、思わずそう呟いたシェリルは、先日の<セルガ・ウォレドの会見>の際に行方不明になっている娘の名として口にしていたのを思い出していた。


そして、最後の一人、フィは、ギリっと奥歯を鳴らし憤怒の目でマリーベルを睨んでいた。


「ふん。カマかけてみただけなんだけど、どうやら図星だったみたいね。ま、セルガ・ウォレドの話を聞いた時に何となくピンと来ただけなんだけどさ。


ブロブと融合した体を持ち、なのにそこまでブロブを恨んでる奴となったら、その辺りなんじゃないかって」


「だまれぇええぇっっ!!!」


マリーベルの話を遮ろうとでもいうのか、全身から爆発するかのような怒声を発し、フィは、弾丸のようにマリーベルへと迫り、グレネードを放ったのだった。



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