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侵略者  作者: 京衛武百十
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乱戦

ブロブを殺さず捕獲しようとするのはゲイツがブロブハンターだからであって、駆除業者は基本的にブロブをその場で殺処分する。既にハンターによる研究施設等へのブロブの供給がルートとして成立しているので、供給過多になることを懸念したハンターギルドが他のルートから受け入れないように癒着しているという構図もある。それ故、駆除業者はこれまでどうしてもハンターの下という立場に甘んじてきた。


しかも、危険を冒してブロブを生け捕りにするという意味でもハンターの方が格上というイメージが世間にはある。今回の一斉駆除作戦は、その辺りの固定化した状況に風穴を開けたいという、駆除業者側からの政治的な働きかけもあって実現したという一面もあった。


単なる<害獣駆除>ではなく、裏ではいろいろと政治的な駆け引きもあったようだ。


しかしそんな裏話など、マリーベルには関係なかった。たかが人間如きが身の程もわきまえず牙を剥こうというのだから返り討ちにしてやるという感覚でしかない。


とは言え、その時の彼女の様子は尋常ではなかっただろう。




一方、フィとシェリルは、マリーベルが呼び寄せたブロブと戦闘になっていた。だがそれは、ヌラッカと同期して彼女と同等の能力を得たブロブ達だった。


人間を恐れるヌラッカの感覚は共有せずに能力だけを同期したのだった。マリーベルは既に、そこまでのことができるようになっていた。だが、そこまでブロブに踏み込んだことが仇となったかもしれないが……。


それはさて置き、フィも手強いブロブが現れることはあらかじめ想定済みであり、最初からトップギアで自身の能力を最大限に活かして対抗した。


それだけではない。並みの人間よりは戦闘力の高いシェリルだがそれでもフィに比べればあくまで人間の常識の範囲内に収まっている彼女を囮に使い、ブロブの動きを誘導してそれを狙い撃つというフィの作戦は見事に功を奏していた。


『ははは! これはいい!!』


自らの狙いが最大限に効果を発揮していることにフィは高揚していた。同時にシェリルの方も、自分がフィの役に立ってブロブを殺せていることに歓喜していた。


『あはははは! サマーミロ、兄さんを殺した報いだ!!』




そうしてゲイツやフィやシェリルがそれぞれの思惑で動いている陰で、一般の駆除業者達はブロブに翻弄され、既に犠牲者が出ていた。


決して素人ではない、それなりの手練れが集められたというのに、ヌラッカと同等の能力を得、マリーベルの指揮の下で動くブロブ達が相手では明らかに不利だった。


そんな中で、ハワードスーツを纏い、ブロブの攻撃などどこ吹く風と悠然と進むカルシオン・ボーレが手にしていたのはグレネードマシンガンではなかったのだった。



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