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侵略者  作者: 京衛武百十
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カルシオン・ボーレ

「ふふふ、新装備のお披露目のチャンスだな」


惑星ファバロフでも有数の企業の創業者一族の子息として生まれたカルシオン・ボーレは、私費(こづかい)を投じてブロブ狩りの装備を次々と開発していた。一見すると爽やかな好青年そうにも見えるのだが、その振る舞いからは隠しきれない傲慢さや身勝手さがにじみ出ていた。


まあ、ある意味では金持ちのボンボンの道楽ということである。しかし、実はそれと同時に、軍用の新兵器などの開発の一環という一面もあった。それのテストなどに利用されているのだ。パワードスーツにしても、その一つである。だから駆除業者として利益を上げられるかどうかなど、二の次三の次であった。


『あのバカボンボンが来たのかよ……こいつは面倒臭いことになりそうだな』


カルシオンらが着々と準備をする様子を、ドローンのカメラで監視しながらそんなことを考えていたのは、既に何日も前からキャンパーをふりをして林の中で寝泊まりをしていたゲイツだった。彼らのことを悪い意味でよく知っているからこそのものだ。カルシオンは業者として利益を上げることも名声を得ることも興味がなく、ただ自分が楽しみたいからやっていて、その周りのスタッフが父親の息のかかった兵器開発のプロで、軍に売り込む為の新兵器や装備のテストも兼ねていて現場を滅茶苦茶にするので、他の駆除業者からもハンターからも疎まれていた。


一度など、ブロブ相手に荷電粒子砲を持ち出したことさえある。しかもその時に何かトラブルがあったらしく、荷電粒子砲を装備したパワードスーツが暴走、林を一つ焼き払うという大惨事となったらしいが、それさえ、父親をはじめとした親族があちこちに手をまわして揉み消したそうだ。


それほどの曰くつきの業者なのだが、しかし、カルシオンの父親が、駆除業者が使っている装備品などを一手に扱っている企業のトップでもあるということで、迂闊に口出しできないという事情もあった。下手に睨まれると装備品の供給を止められるという噂もあるからだ。


まったくもって厄介な連中である。


『こいつは早々に片を付けないとな。リミットは一時間…いや、三十分てところか』


ゲイツは、人間としては下劣な男だが、同時に非常にクレバーなハンターでもある。装備を身に付け、麻酔弾を装填したハンドガンを再度点検した。作戦が開始されると同時に目的のブロブを急襲。捕獲し迅速に撤退しなければならないと自らに言い聞かせる。


『欲張るな。引き際を間違えた奴こそがイモを引く……!』


作戦開始時刻になると同時に、ゲイツは音もなく林の中を駆け抜けたのだった。



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