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侵略者  作者: 京衛武百十
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ウイスパー

シルフィと顔を合わして今後のことを確認できたマリーベルは、また翼竜の姿になったヌラッカの中に収まって空を飛んでいた。


その時、何かが頭をよぎる。


「…またか……! 煩いんだよ、お前…!」


誰にともいう訳でもなくつい悪態が口を吐いて出てくる。頭の中に何者かが話し掛けてくるような気がするのだ。


いや、実際に話し掛けてきているのだろう。何しろ<そいつ>は、ブロブの中にいるのだから。


しかし、明らかに<人間>ではなかった。何故かそれだけは分かる。人間の言葉を話していないし、そもそも思考パターンが人間のそれではなかった。だが、間違いなく何らかの知性を持った生命体であることも確実だと思えた。


実は以前から微かにそういうものは感じていた。しかし実際には殆ど思考のノイズのようなものでしかなく、ただの雑念だと思っていた。だが、右腕と左目を失い、ヌラッカによって補ってもらって以降、それが何者かが語り掛けているものだということが徐々に分かってきた。


とは言え、無視しようと思えばできなくもないし、そもそも何を言ってるのかが理解できない。だからマリーベルは無視を決め込んでいたのだった。


ただ同時に、それによって確信めいたことが得られたのもある。ブロブとの融合によって人間との共感性が失われる原因の一つが<そいつ>であると。


最初は人間とは根源的に異なる生態や性質を持つブロブと融合するのだから当然だとも思っていたのだが、どうもそれだけではないようなのだ。特に、人間に対して攻撃的になったりする部分についてはそれの影響が大きいのではないかと、具体的な根拠は何もないがそんな気がしてしまうのだった。


<そいつ>は、人間を憎んでいた。ブロブが人間から敵意を向けられると反応してしまうのもそれが原因かもしれない。


そいつはブロブそのものを操る程の存在ではないものの、ブロブの感覚に少なくない影響を与えてることも事実のような気がする。


もしかすると、はるか昔にブロブに食われた何者かなのか。それがブロブの中に残っているということなのだろうか。可能性としては有り得るにしても、マリーベルには明確な答えは出せなかった。ブロブの中にいる人間達の知識はブロブそのものに関するものがまだ少なく、そういう意味では情報不足というのもある。


今回、再度マリアンに会うということで、この辺りについても少し話をしてみようと思っていた。それで明確な答えが得られるとも思えないが、何らかのヒントになるものがあるかもしれないからだ。



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