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侵略者  作者: 京衛武百十
41/104

保護

マリアンとベルカに付き添われて、キリアは警察に出向いていた。犬小屋に住まわされていることを理由に両親を刑事告訴する為だった。


すると、少年課の女性警官が、


「よく勇気を出してくれましたね」


と微笑みながら言ってくれた。


実は、近所の住人から『子供が犬小屋に住まわされているようだ』という通報があったのだ。いくら周囲から見えにくいと言っても、子供が一週間も犬小屋で過ごせば異変に気付く者もいたということだろう。


とは言え、さすがにそれだけでは警察もすぐには動けなかったが、実際にそこに住まわされている本人からの訴えとなればすぐにも動くことができる。


するとそこに、キリアの弁護を行いたいという弁護士も現れた。マリアンがあらかじめ、知人の弁護士を通じて手配してもらっていた弁護士だった。


警察官と弁護士を伴って家へと帰り、まず実際に彼女が自分の荷物、特に学校関係のテキストなどをそこに置いて着替えや寝具代わりの寝袋なども置いて犬小屋で寝泊まりしている事実を弁護士と警察官が自らの目で確認し、写真に収め、それを基に裁判所に逮捕状を請求。その上で改めて、母屋のチャイムを鳴らし、両親の前で、


「キリア・ハミルソツさんのご両親ですね? あなた方を児童虐待の容疑で逮捕します」


と逮捕状を突き付けて宣告した。


児童虐待は迅速な対応が求められる為、被害児童本人が訴え出たとなればそれこそ、まず容疑者を確保し被害児童を保護した後で詳しい捜査をするという手順が認められていたのだった。今回は犬小屋に住まわされているという動かぬ証拠があったことでなおさらだ。


「知らん! 娘が犬小屋に住みたいと言うからその通りにしてやっただけだ!!」


と父親は往生際悪く抵抗したが、キリア自身がそれをはっきりと否定したことでその主張は通らなかった。しかも父親が知人に『娘が生意気だから犬小屋に放り込んでやった』と電話で嘯いていたという証言も得られて、僅か一週間で裁判所で一年の禁固刑を言い渡される有罪判決が下ったのである。


が、両親はなおも控訴して争う姿勢を見せたが、たとえ有罪判決がひっくり返ろうとも、両親がキリアを取り戻すにはさらにいくつもの法的手続きを踏まなければならなかった。その間、キリアは施設に保護されることになる。


そこで、マリアンとベルカはさらに手を打ち、ベルカの義両親であるエリトーナリス夫妻の協力も得て、最終的な判断が下されるまで、里子としてエリトーナリス家で預かることを決めていた。


「ああ、よく来たね。今日から君の家だと思って安心して暮らしてくれたらいいよ」


こうして、実の娘を亡くしたエリトーナリス夫妻に、ベルカに加えてキリアという娘もできることになったのであった。



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